では、通気層のどこが塞がれていたのでしょうか。
この住宅は2階建てですが、2階の上はルーフバルコニーになっています。そのため、右図左のように、2階の天井よりさらに上にバルコニーの手すりが立ち上がっています。
普通、右図右のように、2階建てでも2階にバルコニーを設けて手すり壁をつけるケースは多いのですが、この住宅ではちょうど3階に高さになるので、通気層の長さは、2階にバルコニーがある長さよりも1.5倍程度長くなっています。
そして、通気層の最上部が手すりからの雨漏り防止を優先させた結果、板で塞がれていたのです。
つまり、いつもより長い通気層が出来ているにもかかわらず、その最上部が塞がれていたために、外壁の一番下から入った空気は行き止まりで滞留し続けます。
最上部の空気層の湿度を湿度計で測ってみると、最上部で実に90〜99%近い湿度をいつも保っていました。 |