いいお客さんに恵まれて・・

NO IMAGE

地方から東京に出てきて、ちいさな理髪店からスタートし、弟子を抱えるまでになり・・。
『いいお客さんに恵まれてここまで来ました』。
あとは老後を過ごすだけ。
古いすみかをリフォームして老後に備えようと考えました。

Sponsored Link

「いいお客さんに恵まれて、ここまで来ました」

自営業と言っても、全ての人がいわゆる事業をしているのでありません。
魚屋さんや、花屋、自転車屋といったいわゆる「もの」を売る商売をしている人も自営業者としていますが、今日の話は、自分の「腕」を頼りに商売をしてきた人です。

「手に職を・・」という言葉も死語となりましたが、高度成長期までは使われていたと思います。いわば「職人」といった方が良いかもしれませんが、大工やとび職のような職人ではなく、広く普通の人たちが直接利用する、理容・美容といった分野のいわば「職人」だった人の話です。昔は理髪師とでも言ったのでしょう。

若いときに東北から東京に出てきて、右も左もわからないままに、親戚の人たちの助けを借り、真面目に仕事に打ち込み、お客さんを信頼を得て、通ってくれるお客さんも増え、弟子も抱えるようになりました。

繁盛して、自分の店と自宅と寮が併用した鉄筋コンクリート造3階建ての建物を建てるときには、親戚の人たちの助言を得て、力も借りて、何も問題なく建てました。
そして、還暦を迎え、仕事ばかりの生活にも少し終止符を打とう。そろそろリタイアしたいと、昔、寮だったところを最後の住み家とすべく、今まで、ああしたかった。こんな家に住みたかったという思い入れを抱えて全面リフォームすることにしました。
でも失敗しちゃいました・・・。

おまえそれでも工事屋か・・という業者

リフォームをしたいもののさすがに昔の建物です。
断熱材が入っていないために、いくら鉄筋コンクリートでも、夏暑く、冬寒いです。

そのため、この方は全面リフォームの要望の中に、「断熱材を入れて欲しい」というのを入れました。そして、リフォームに取りかかったのですが、確かに断熱材は入っているのですが、入っているのは、下の図のように間仕切り壁の中だけなのです。
下地も全て解体し、外壁のコンクリートが見えるまで解体したのですが、なぜか、外壁側に断熱材が貼られていませんでした。(注:下の図の間取りはイメージです。この方の間取りではありません)
 その方も工事中おかしいと思いつつ、まさかなぁ~。建築業者だしなぁ~。と思い現場監督に尋ねると、なんだかよくわからない返事を返されました。
「しかし、工事屋だし、これでいいのかなぁ」と腑に落ちないと思いつつ、そのまま自分の仕事に追われて、改めて現場を見ないまま完成を迎えます。
もちろん、そんな断熱材を外壁に貼ることを知らない変な業者ですから、あちこちに不具合が発生し、『直してもらったら支払います・・』といって残金を支払わずにいたら、つい最近、相手から「代金請求訴訟」が起こされました。

他の問題はさておき、暑さ、寒さのために断熱材を貼らなければならないのは間仕切り壁ではなく、外壁であることは、わかりそうなものなのですが、この業者は間仕切り壁に一生懸命断熱材を入れて、肝心な外壁には全く断熱材を入れていませんでした。

その業者。住宅会社というよりも小規模リフォーム専門で、あとで調べたところによると、せいぜい部分的なキッチンの交換など限定的なリフォームしかした経験が無く、全てを取っ払って全面リフォームという経験は無かったそうです。たぶん、木造住宅のリフォームの経験はあっても、マンションなど鉄筋コンクリート造のリフォームは初めてだったのかもしれません。

お客さんには恵まれても、業者には恵まれなかった。

でも後の祭りです。
あらためて、断熱の効かない家で、暑い夏、寒い冬を過ごす羽目になってしまいました。

きれいなホームページ。耳障りのいいセールストーク。
でも蓋を開けると断熱材のことも知らない業者だった。
う~ん。
仕事はいいお客さんに恵まれて有終の美を飾れた。
でも人生はあざなえる縄のごとし。幸あれば不幸あり。
とでもいうところでしょうか。
最後に失敗しちゃいました。

Sponsored Link

心の隙間に入るトラブルの最新記事4件

Sponsored Link