住宅事件簿

・インデックス
業界による
   チェック思想の違い


■心の隙間に入るトラブル
帰趨本能と巣作り本能

いいお客さんに恵まれて
『善意』が生むトラブル

■事件いろいろ
『傾き』事件
「建て替えろ!」は、
危険な言葉

ウソのようなホントの話
モラルなど無い
後付け太陽光発電工事
悪質リフォーム詐欺−1
悪質リフォーム詐欺−2
悪質リフォーム詐欺−3

シーリング劣化と雨漏
未熟化する配管工
誤解 床のたわみ

■間違いだらけの
     耐震リフォーム
正しい施工と事例1.2
事例3と、起こる理由


■断熱、結露のトラブル
間抜けな断熱工事
経験に勝るもの無し
小屋裏換気の実力
冬の過乾燥に要注意

■土地の事件簿
こんな土地まで売るか
ブロック土留めに
        建つ家

急傾斜地に建つ家
よう壁にまたがる家

■意外と多い漏水事故
給湯管から漏水
設備工事の不備
コンクリートの誤解

■欠陥工事の定番
耐震金物の不備
内部耐力壁の不備

■ログハウス
ネバー・ギブアップ!
俺たちは、無責任さ!

■揺れる〜建物
建物が揺れる〜3
3階建てが割れる〜2
3階建てが揺れる〜1
浦島太郎−事件

■基礎編
基礎に雪がかぶった2
本当のべた基礎事件
基礎に雪がかぶった


 

 

 

■速攻
某月某日、午後6時
「屋根瓦がずれているの知っています?」
「大手なら250万円かかるけど、近くで作業しているから合間に来るので安くできる。会社に言わないでね!」

というセールストークの後で、営業マンが携帯電話で現場監督を呼び説明させる。
午後7時30分。60万円で契約成立。


・・「知ってます?」と見えないところの不安を煽る
・・「ついでにできるから」通常より安いと錯覚させる
・・すぐに別の人間(現場監督)を呼び、専門家らしきスタンスで説明させて、
  安心感を誘うすばらしき連係プレー
・・その日に契約に持ち込む。考える時間など与えない


■振り返るヒマを与えない
間髪を入れず、翌日から職人が出入りして、工事らしきものを進めていく。
・・このとき紳士的に振る舞い好印象を残す

■お為ごかし
その間に雨の日もある。いよいよ追い込みに入ります。
現場監督から
「天井裏に雨漏りがないか見てあげる」
「あちこちの木材が割れているので補強した方がいい」
「異常に暑いので断熱材を張った方がいいよ」


この段階ではお金の話はありません。
そこまで親切に見てもらえるならと気を許し・・・

「床下も見てもらえる?」と被害者の方から依頼するようになります。

待ってました・・・。

「柱がずれているからモルタルで固めた方がいいよ。耐震にもなるし。 」
とアドバイスを受ける。。。
そこから営業マンが来ていろいろ話を進め、延々2〜3時間の商談の後、午後10時頃に頭がボーッなりながら契約をしてしまう。

以上、実際にあった次々詐欺、リフォーム詐欺の手口です。

■どんな被害に遭われたのか!

「私はそんなに手口には決して乗らない」
だれもそう考えます。そう考えるのが当たり前です。

しかし、彼らの手口は実に人間の心理をうまく突くもので、そこを突かれるとたちどころに、睡眠薬にかかったかのように引っ掛かっていく下地があるのです。そのあたりも解説していきます。

では、どんな被害に遭われたのか。

     

■屋根の補強工事 60万円
といっても、ただ単にコーキングで瓦同士を止めただけです。
これが60万円。
しかし、この話がとっかかり。誘い水の手口なんです。

■屋根裏の断熱 40万円
ホームセンターで売っている断熱材を釘で留めただけです。すぐに外れる小学生でもできる工事です。

■床下の防湿工事 144万円
これは未然に防げました。
「床下が湿気てします。このままでは木材が腐ります」と、特に湿気もない床下にコンクリートを打つと言うことだったようです。典型的な手口です。 写真は、床下の木材の含水率を計った写真ですが、表面含水率11.5%と乾燥しています。

■屋根の耐震補強 16万円
これもホームセンターで売っている数百円ほどの訳のわからない金物を耐震金物と称して4カ所つけていました。そして、木材の補強と称して、べたべたした樹脂系接着剤を塗って補強したとか・・・。

そんなこんなの、彼らのぼったくり予定額は260万円。

最初の契約は、屋根の補強工事都やらで60万円。
そのあと、最初に書いたような紳士的な振る舞いから、親切心からみて上げる〜というのを口実に、あっちが悪い、こうした方が良い〜と、追加200万円の工事を契約させたのです。

■不安を煽り、一気呵成に!!

悪質リフォーム会社の手口はある意味で簡単です。
私がご相談を受けた方は、すでに定年退職されて、しばらく経た老夫婦の二人住まいです。それまで勤められていた会社は大手。
いわば、無事に勤め上げて悠々自適の老後生活の最中だったのかもしれません。
建物は、阪神大震災にあったものの、瓦がずれて屋根瓦の吹き替えをした程度の被害で済んだ築30年ほどの建物です。(でも葺き替えから10年と少ししか経っていません。)


■不安を煽る!!
『瓦がずれています。このままでは地震でもっとずれてしまいますよ。』
『床下が湿気ています。このままでは、建物が傷み、腐っていきますよ。』

全くリフォーム詐欺の定番の言葉に乗らされてしまいました。


■微妙な金額
そして、最初に契約したのは屋根瓦の修理で60万円。
実は、この金額がポイントのようなのです。つまり、100万円を超えるような大きな金額ではない。かといって2〜30万円の彼らにとっての端金(はしたがね)でもない。 100万円を超える契約をするには躊躇するが、60万円程度なら、いざとなれば、預金口座からいつでも都合出来る程度の金額ですね。

そして、前段で、合計260万円の工事を紹介しましたが、手口としては一度に全額の契約をしていません。まずは、あまり躊躇しない支払いやすい少額の契約です。

でも実はこの程度ならまだ良いのです。

普通は工事着工までに、ちょっと時間がありますから、その間に気が変わってキャンセルするということも考えられますね。


■有無を言わさぬ着工(クーリングオフを使わさない−速攻)
さて、うまく契約を済ませた彼らは、そんなに悠長な時間を与えてはくれません。夜に契約したと思ったら、翌日には、もう工事に入っていたそうです。(あるいは翌々日だったのかもしれません) いずれにしても、クーリングオフも、よく考える時間も、誰かに相談する時間も与えず、工事に入るのが特徴です。


■断れない仕組み
実は、ここが一番のポイントです。
人間と言うのは、「間がさして」少し悩んでいたとしても、あっという間に工事にこられたら、「ちょっと考えています。工事を待ってください」とはいえません。
なぜなら、昨日、自らから契約をしているからです。
確かに契約をしたのは自分です。
これは、人の弱みと言うよりも、自分が自ら契約をしてしまった。自分にも落ち度がある・・という引け目の心理状態になってしまいますね。目の前に職人が来れば、「もう、少し工事を待ってください」とは、もういえません。

それも60万円という、そんなに困ってしまう金額でもありませんから、なおさらです。

あとは成り行き任せです。 考えさせず一気に契約に持ち込み、一気に工事をし、相手を萎縮させてしまえば勝負ありです。あるいは考える隙を与えない速攻です。


この手で落ちてしまうと、
もう断れない
断ろうか・・
と考えている間に工事が進む

住宅事件簿・エンド
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