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これは、重量鉄骨造で起こるべくして起こった内部結露のトラブルです。
【発見経緯】
ご相談が入ったのは1月の下旬。昨秋に入居し、初めての正月も過ごしたころ室内の壁が変色したり、浴室の壁と天井の隙間から茶色い水滴がしみ出している。というご相談でした。
右の写真は、在来浴室の天井と壁の隙間から出ている錆汁。
とりあえず図面を送ってもらって図面を見ていると、内部結露ではないかと疑い、建物を建てた工務店に壁と天井を部分的に剥がしてもらうことで話が進んでいきました。
【剥がした状況】
部分的に問題となっていた天井や壁を開けてみると、あっと驚くような光景だったようです。天井面と重量鉄骨の鉄骨の梁、そして、断熱材であるグラスウールがそれぞれビッシリと結露し、かつ、断熱材の袋の上には、結露水の落ちた水がたっぷりと溜まっていたのです。(外壁面は何も無し)
この写真は、天井を開口した2日後に筆者が取った写真ですが、その時点でもビッシリと水滴がそこかしこと点在しています。そして、こんな状態でよく漏電しなかったものです。

このとき、天井全域が、このような結露水で一杯になり、浴室から染み出ていた水滴は、これら結露水が鉄骨の錆と混ざった錆汁として出ていたのです。
そして、結露が起こっていた場所はすべて右図のような屋根となっている場所でした。
【結露の原因】
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この建物は重量鉄骨造で、屋根の構造は、一つは金属製のデッキ+コンクリートに屋根防水。もう一つは、硬質木片セメント板(木片をセメントでプレス成形した防火用板状製品)に屋根防水という2つの方法です。
どちらも断熱性能は全くありません。
では、どうして小屋裏部分に結露が生じたのでしようか。
実は、断熱性能が無い、つまり、外気の気温と同化しやすい材料であったが故に結露が生じたのです。
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冬季、外気の温度は氷点下近くまで下がります。それと同時に、この材料の表面温度も外気温と同程度まで下がります。
小屋裏部分の空気は逃げ場がないため、外に出ることはありません。
冷蔵庫から出されたグラスは、あっという間に水滴が出来ますが、それはグラスの廻りの空気が、冷たく冷やされたグラスによって急激に冷やされ水滴が表れるのと同じで、当時、小屋裏の空気の温度が10℃、相対湿度が60%程度と仮定したとき、冷やされた屋根材の表面温度が2℃近くまで下がると、冷やされた材料に触れた小屋裏の空気はあっという間に結露し、水滴が発生していきます。
内部結露と言いつつ、実は材料の表面温度が低下したことで生じている表面結露なのです。
注:よく内部結露という表現が使われますが、軸組内など、目に触れない部分で発生する結露の事を内部結露と言うだけで、結露発生の原理は、このような材料温度とその廻りの温度との関係によって生じる表面結露に過ぎません。
注:このような陸屋根形式は、比較的多く見られますが、ここまで大きな結露はあまり聞いたことがありません。その理由は使われていた材料に大きく起因しています。
材料の表面温度が下がると結露リスクが高くなりますが、合板や木材などは材料温度の低下が少なく、この建物で使われていたような鋼材やコンクリート、木毛セメント板などは、合板や木材よりも早く外気温の影響を受け、熱しやすく冷めやすい材料だったからです。つまり、真夏の炎天下の木材は手で触れないほど熱くはならないが、鉄板は手に触れないほど熱くなるのと同じで、コンクリートも厚みが薄いほどその影響を受けやすくなります。
【対策】
この対策には、材料の表面が冷えないようにする断熱化工事か、小屋裏換気を設けて換気する方法の2つしかありません。
しかし、小屋裏換気は、重量鉄骨造で、小屋裏換気の換気口すら取れない極小空間のため採用出来ません。
結局、屋根裏、梁のすべてに発泡ウレタンを吹き付け、材料を冷やさないと同時に屋根断熱という方法で建物を断熱することになりました。
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