住宅事件簿

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建物が揺れる〜3
3階建てが割れる〜2
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浦島太郎−事件

■基礎編
基礎に雪がかぶった2
本当のべた基礎事件
基礎に雪がかぶった


 

 

 

 下の事例はいずれも温かいお湯がでる給湯管から漏水した事故例ですが、ひとつはカビの大量発生や木材腐朽という大きな被害を与え、ひとつは何もなく解決しています。

■給湯管に釘が刺さる(カビの多量発生、木部腐朽)        0-00

 古くから、必ず起きていた典型的な工事の事故のひとつに、配管に釘が刺さる、というものがあります。この事故は木造に限らず、コンクリート造の建物でもおき、また、給排水管だけでなく、電気の配管などでも起き、古くから一定の確率で必ず起こる人為的事故のひとつです。

【発見経緯】・・プール状の水。カビの大量発生
 入居後しばらくして、建物からのカビ臭さを感じたが、新築建物特有の臭いかと考え、しばらく放置していた。しかし、その臭いが継続的に続いていたため、入居1ヶ月を過ぎた頃、床下を確認したところ、床下一面に多量の水が溜まり、水がどこからか漏れていることを発見。
 その深さは、まさに床下がプールになった。と表現出来るほどの、平均的な深さ約8cm前後まで水が貯まっていた。

 

 その後すぐに水を抜き取る作業をしたが、床下の断熱材、基礎コンクリートの側面などにビッシリとカビが発生し、その多くは、カビが胞子状に数センチの高さにまで大きくなって生育しており、木部は部分的に黒く腐朽し始めている所もあった。(数センチの高さの胞子状にまでなったカビは早々見られるものではないですね。)

【原因
 原因は、洗面台に通じている給湯管に釘が刺さり、そこからずっとお湯が漏水していたためだった。

【解決経緯
 私に依頼されたのは、建築主の側に立って、建築主と一緒に建築会社と交渉するものだったが、問題は大量に発生したカビが人体に与える影響をどう考えるか、が問題で、一時は全面建て替えまで建築会社側が譲歩したが、感情的な行き違いから、結局裁判となり、是正工事費だけで和解した。

■機器の接続不良 (実質被害無し)              5-775

 このケースでは、上と同じように、給湯管から漏水事故を起こし、床下に水がたまったが、特に何もなく問題は解決された。

【発見経緯
 入居当初より、風呂場付近で 夜中など静かなときに、水がポチャンポチャンと音がしていました。そこで、すぐに工務店に連絡をとったところ、水道屋さんが来てくれ、問題ないとのことでした。しかし、音はずっとしていました。
 そして、今日(入居1ヶ月後)気になって 洗面所の床下収納を外して下をみたところ 基礎部分のコンクリートの上に 水が2〜3cmたまっていて、ポチャポチャ音がしています。(いただいたメールより一部引用)

【原因
 この事故の原因は、浴槽につながる給湯管のパツキンの不良とのこと。

【解決経緯
 水をすぐに抜き取り、カビが発生していないかのチェックも行って、送風機を床下に入れて風を回し乾燥させました。1週間後、土台などの木部も普通の含水率に下がり、カビの発生や木部の腐朽もなく、再度シロアリ材の塗布をして終わりました。
注:漏水直後の土台の表面含水率は、約18%前後。1週間後には、10%前後に低下。
  季節にもよるが、乾燥状態の床下では、土台の表面含水率は8〜12%程度

■どちらも給湯管からの漏水なのに・・被害を分けた原因

 この2つの事例に共通しているのは、どちらも給湯管からの漏水であったこと。そして、発見時期も入居後1ヶ月程度の時期です。
 片方は、カビの大量発生と木材の腐朽。片方は具体的な被害は何も無い。
 この違いは何でしょうか。

 被害が違う理由には、2つの大きな違いがありました。

■お湯の温度の違い。
 前者の給湯設備は、貯湯式温水器を使っており、給湯配管の温水の温度は85℃前後の高温が流れていました。
 後者の方は、いわゆるガス湯沸かし器と言われるタイプで、その都度お湯を沸かすタイプのもので、湯温が設定出来るますが、最大でも60℃までです。また、給湯タイプですから、お湯のカランをひねった時点で自動的にお湯を沸かし配水していきますが、ポタリポタリという漏水の程度を考えると、湯沸かし器が働いてお湯が流れていた、というよりも冷やされた給湯管の水が漏水していたと考えた方が妥当でしょう。

 つまり、漏水していたお湯の温度が大きく違っていたのです。

■基礎断熱の違い
 もう一つ、決定的に違っていたものがあります。それは断熱方法の違いですが、前者は、基礎断熱を採用し、床下換気はなく、密閉状態で外気は入ってきません。
 後者は、普通の床下換気方式ですから、床下は外気が流れています。

 つまり、前者は暖かい温水が、基礎断熱のために外気に触れることなく床下に溜まり、なかなか冷めにくい状況にあったのです。そのために、漏水付近の床下は、ビッシリとカビが生え、漏水場所から遠ざかるほど、カビの発生は少なくなっていました。 

 その結果として、漏水した管の天井裏も木材が湿気で腐朽し、漏水管の廻りも、合板が真っ黒になるほどカビと腐朽が進んでいました。そして、床下は暖かいお湯が流れ込んで、密閉された高温多湿の環境が、胞子まで成長させるカビの大量発生となったのです。
 対して後者は、仮に高温のお湯がでていたとしても、床下の外気に触れ、急速に冷やされて、カビが発生するまでの温度や湿度にならなかったのでしょう。

 お湯の温度差と基礎の断熱方法の違いが、被害の差を大きく分けた事件でした。

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いろいろあります。

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