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 さて、「地震係数」がわかると、「上下階比率」を計算します。
 もっとも、上下階比率という言葉。
 耐震等級の解説書では「K1」と単に記号だけ振られているのですが、それではわかりにくいので、こちらで「上下階比率」なんて言葉を作りました。
 ですから、設計者に「上下階比率」なんて言ってもわかりませんよ。


 「K1」(上下階比率)の出し方は簡単です。
 これも四則計算で、家庭にある電卓だけで計算できます。
 下の数式で、 0.4+0.6x(2階の床面積/1階の床面積) という式ですから、1階と2階の床面積がわかれば計算できますね。

       


 では、耐震等級1(建築基準法とおなじ)と耐震等級2あるいは3の耐力壁の量は、どう違うのでしょうか。
 下に「カラーベストなどを使った軽い屋根の住宅」を想定した計算式と計算結果、そして、耐震等級11としたときに等級2または3の時の倍率を書いていますが、2階の面積が大きくなるほど、耐力壁の必要量も多く必要になっています。

 2階の床面積が1階の床面積の5割程度だと、1.08倍と本当に少なくて良いのですが、総2階では、1.55倍。 都市部で多い2階の床面積が1階の8割程度の住宅だと、約1.38倍の強さが必要になっています。

    

注:上の1階に必要な耐力壁の量の計算は、1階の床面積を100m2として計算しています。

 前ページで、「耐震等級2って、1.25倍の地震に抵抗するためには、基準法の1.5倍程度の耐力壁が目安だよ」と書きましたが、地方や郊外など土地の広い住宅に多い、1階に対する2階の床面積がちいさい住宅では、大きな強さを必要としませんが、都市部のようにほとんど総2階に近いような、2階の面積の割合が大きい住宅では、K1(上下階比率)を加味しても、ほとんど基準法(等級1)の1.41.5倍程度の耐力壁が必要だと考えておく必要があります。

 1階に必要な耐力壁の量は、実は2階の広さに左右されるのです。

 

■なぜなのか?

 なぜ、1階に必要な耐力壁の量は、2階の広さに左右されるのでしょうか?

 建物の耐震設計をするためには、最初に
1.その建物に加わる「地震力」を計算しなければなりません。
2.次に建物に耐力壁を配置して、計算された「地震力」よりも「耐力壁の量」が多くなるように配置します。
3.同時に、耐力壁の配置が偏っていないかをチェックします。
4.その上で、それぞれの耐力壁の柱や壁に、ホールダウンが必要かどうかを計算で求めます。

耐震設計って、大きくはこの手順で行われます。

 では、どうして「上下階比率」のようなものが出てくるのでしょうか。それは、建物に加わる「地震力」を求めるのに一定のルールがあり、建物の重さは下の図のように計算しています。

    

■1階に加わる地震力
 1階の階高の上半分重さと、2階の全ての重さを加えたもので計算します
■2階に変わる地震力
 図のように2階の階高の上半分の重さだけで計算します

 そしてなにより、地震力は重さに正比例します。

 つまり、単純に1階の重さ、2階の重さと割り切って計算していないんですね。
 2階の面積が少なければ、1階への負担は少なくなり、2階の面積が広ければ、1階への負担は大きくなります。

 たとえば、電車で次のような子供を背負ったとしましょう。
 幼児を背負ったとき(小さな2階)。
 小学生の子供を背負ったとき。
 中学生の生徒を背負ったとき(広い2階部分)。
 それぞれに重さが重くなるほど、踏ん張る力を強くしなければ電車の揺れに負けてしまいますね。それと全く同じことで、いわば1階が背負うべき重さを正しく計算していたのが「上下階比率」という部分だったのです。

    

 耐震等級2あるいは3の計算で「K1(上下階比率−仮称)」をわざわざ計算に含めたのは、このような理由−いわば、より正確さを増した−からなのです。

 反対に、建築基準法だけの耐震等級1の計算では、こんなややこしい計算は求めていません。

 言い換えれば、おおざっぱに計算式を作っている、とも言えますね。


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