耐震等級のよくある誤解

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『耐震等級のよくある誤解』の話に行く前に、「耐震等級」についてのおさらいです。
「耐震等級」は3段階に分かれています。
その中で耐震等級1と建築基準法はおなじ強さです。そして、次の耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の地震に対して、耐震等級3は、その1.5倍の地震に対して対抗できる強さということです。

では、基準となる耐震等級1(建築基準法もおなじ)で想定している耐震性とは、どのようなものでしょうか。

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耐震等級1(建築基準法)で規定している耐震性とは

『倒壊に対しては、極めて稀に発生する地震(数百年に一度程度の頻度―東京を想定した場合、気象庁の震度階で震度6強から7程度)に対して倒壊、崩壊しない。 そして、建物が損傷を受ける程度を、稀に(数十年に一度程度)発生するの地震による力(東京を想定したときの震度5強程度)に対して損傷を生じない程度
(国交省、性能表示制度の解説より引用)

意味深長で曖昧な言い方ですが、簡単に言うと、
「耐震等級1って、大地震(震度6強から7)では建物が倒れない程度の強さです~」
「震度5強程度なら、外壁、内壁に被害は出ない程度の強さですよ~」 と言っているんですね。

ここで大事なことは、「物がびくともしないのではなく、「倒壊、崩壊しない」とあるように、ぺっしゃんこにならない、傾くのは仕方ない・・という強さなのです。

もっとも、建物の置かれた地盤によっても、地震の来る向きや強さによっても、加速度や応答スペクトルなんていういろんな地震の性質によっても、建物が受ける地震の力は一様ではありませんから、こういった曖昧さでしか表現できないのも仕方ありません。

さて、その耐震等級のいう1.25倍、1.5倍は、地震の強さを言っているのであって、耐力壁の必要な量がおなじなのではありません。

よくある誤解

  • 1.25倍だから、筋交いも1.25倍ではない!

建築主の方は仕方ないとして、設計者である建築士の人でも、時々、「耐震等級2って、1.25倍の強さに抵抗できるのだから、筋交いなども1.25倍入れておけば良いんじゃない~」と誤解している人がいますが、本当はもっと必要なのです。

次ページ以降で詳しく説明していますが、耐震等級2って、基準法(耐震等級1)の1.5倍程度の耐力壁が必要なのです。

決して、基準法の1.25倍の筋交いを入れておけばいいのだ・・ではないんです!!
次ページで、その理由を詳しく説明しています。

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