耐震等級2以上を薦める訳

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いくつかのページでは、耐震性を考えるなら「耐震等級2」がお勧めですし、住宅会社の力量を知るためには「長期優良住宅」の仕様がよい、といった事を説明しました。 (「長期優良住宅」の仕様は、耐震等級2が必須事項ですから)

その理由の一つは、耐力壁の量が、耐震等級1と、等級2.3では、異なるということがあります。でも、耐震等級を薦める理由はそれだけではありません。
耐力壁以外の耐震要素を細かくチェックされるからです。

耐震等級2以上は、建物の耐震にとって、とっても大事なことがチェックされるのです。右の図は、耐震等級1(建築基準法同等)と、耐震等級2または3の違いを表にしたものです。
耐力壁の量とバランスは等級に関係なくチェックされます。そして、耐力壁の量は、各等級で必要な量が異なり、等級が高くなるほど、必要量は増えていきます。

でも、接合部の強さと床の強さ、基礎の強さ、梁の強さは、等級1ではチェックする必要が無く、等級2または3をクリアさせるためには、この部分のチェックが新たに求められているのです。

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接合部の強さ(2X4工法のみ)

軸組工法では、全ての等級で法律でホールダウンなどの計算をしなければなりませんが、2X4工法では緩和されており、耐震等級2または3で初めてホールダウンなどの必要かどうかの計算が要求されています。接合部のチェックとは、建物か地震を受けたときに、建物が浮き上がらないかどうかをチェックするのです。軸組工法では浮き上がりが起こりやすいのですが、2X4工法では、起こりにくいので、等級1の時は不問でした。

床の強さ(軸組工法のみ)

2X4工法は最初から「剛床」といって地震が来ても変形しにくい強い床なのですが、軸組工法は火打ち梁を設けるだけだと非常に変形の弱いのです。等級1であれば火打ち梁だけでも良いのですが、耐震等級2または3をクリアさせるためには、もっとも強い剛床を作る必要があり、そのチェックが行われます。

基礎の強さ(軸組工法、2X4工法とも)

耐震等級2または3では、窓があったり、開口部があると鉄筋を補強するなど、より強い基礎を設計するように求められていますから、耐震等級1(建築基準法同等)の時の基礎よりもはるかに強固な基礎になります。

梁の強さ(軸組工法のみ)

軸組工法で耐震等級2または3で建物を作る場合は、梁の太さや梁と梁の接合方法が問題ないかのチェックが要求されています。 以上のように、単に耐力壁の量が違うだけでなく、より強い建物になるようにいくつかのチェックポイントが新たに設けられているのが、耐震等級2または3なのです。

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