木の意外な強さ

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木とコンクリートと鉄骨、一番強いのは?<圧縮力:支える力>

木材とコンクリートと鉄骨を比較すれば、圧縮力(上からの力)に、一番強いのはどれでしょうか。なんとなくの感覚では、コンクリートが一番強そうに感じると思いますが、実はそうではないんですね。

下の図のように、10cm角の部材を比較すると、木材が約6トンの重さを支えられせるのに対して、コンクリートは約7トン。鉄骨の塊では20トンもの重さに耐えられます。

意外と木材は強いんです。だからこそ、鉄筋コンクリート造の柱は太くする必要があるんですね。

木材コンクリート鉄骨
支えられる強さ
10cm角の柱で比較

木とコンクリートは、ほとんど同じ強度

上記の表からも明らかなように、木材は充分な強度を持っています。

しかし現実には、コンクリートと比べて耐久性や耐火性、そしてコンクリートのような太い柱になる材料がないため、マンションなどはコンクリートで造られています。
言い換えれば、強度だけを比較すれば、木造の建物でも一定の構造計算をおこない、適切な施工をすれば、充分強い建物を作る事が可能なのです。

正倉院や五重塔に見られるような高層の木造建築は、木本来のもつ性質を巧みに引き出して造られていますし、かの姫路城の建物の高さは31.5メートル。これは今で言う10階建てのビルに相当しますが、それでも木材で作られています。
木材って意外と強いんですよ

樹種と強度木の強さ
(圧縮力)
10cm角の場合
木の種類木の強さ
かし9.0トン
あかまつ・くろまつ・べいまつ7.5トン
からまつ・ひば・ひのき・べいひ・くり・なら・ぶな・けやき7.0トン
つが・べいつが6.5トン
もみ・えぞまつ・とどまつ・べにまつ・すぎ・べいすぎ・スプルス6.0トン
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