住まいと耐久性住まいと法律・タイトル

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●耐久性の基本要素
はじめに
品確法の基準
基礎の高さ
床下防湿
床下換気
土台の防腐と水切り
小屋裏換気
軸組の防腐、防蟻
外壁通気って何?
重量鉄骨造の基準
鉄筋コンクリート造の基準
バルコニー防水
本気の基準法住宅
制度を活用しよう

●建物劣化とメンテナンス
建物劣化はどこから始まる
自然劣化の進み具合
人為的ミスによる劣化
メンテナンス計画表

●耐久性を考える
耐久性の3要素
木材の耐久性と価格
公庫融資の耐久性仕様とは
メンテナンスは健康診断
その他の要素

●50年もつ家
50年もつ家を考える
立地を考える
外装材は何が良い
メンテで困る家
軒の出と建物の長持ち度
木は何が良い
35年目のオーバーホール
5年に一度、目視点検

●ミニ知識
軒の出の無い建物と外壁通気
小屋裏換気とは
バルコニー防水の方法
建物と周囲地盤の関係
24時間換気
本当の建物寿命は何年?


 

 

 
耐久性という性能は、断熱や防火、あるいは遮音などと異なり、非常に数値化しなくい部分です。

その原因となるものが、雨漏り、湿気、気温、シロアリなど、目に見えないものがほとんどです。
建物が病に冒されていても、なかなか発見しずらい部分でもあります。

抽象的な表現に関わらず、最後まで、お読みいただきありがとうございます。
特集の全体像をつかんでいただき、建物の耐久性に関わる原因や対策の理解が少しでも計られれば幸いです。
これ以外にも、性能表示制度では「劣化の低減」という評価項目で建物の耐久性の目安が示されています。
これからの住まいは、建てるだけでなく、その性能も問われる時代です。
建築主の人も、じっくりと勉強し、建築会社の言いなりにならない知識を身につけましょう。

1.外断熱・外壁通気工法

木造、鉄骨、RC造、全ての住宅は毎年、過酷な自然条件にさらされています。
乾燥・湿気・結露など様々な気象条件下で作り出されるこれらの悪条件が長い間に建物を痛みつけています。

外断熱は、これらの気温変化を構造体に影響を与えず、安定した気候条件の中で耐用年数を経る事が出来ます。

外断熱の長所
外気温の変化を構造体の外側で断熱するため、構造体に負担がかからない。
そのため、建物の耐用年数は延びる。
木造・2X4,鉄骨、RC造の全ての工法で耐久性を向上させる。
木造、RCの場合は、その材料自身が熱を蓄えるため(蓄熱材料)、断熱材と相まって室内の温度変化が少なく、快適。

注)高断熱・高気密住宅が最近脚光を浴びています。
高断熱・高気密住宅は中に住む人間そのものが快適に過ごせる工法で、省エネルギー性能を向上させることを主眼としたものです。
しかし、外壁通気工法を併用した高断熱・高気密住宅では耐久性能も向上します

外壁通気工法の長所
木材の大敵である湿気を外壁で遮断し、あるいは構造体の中の湿気を室内に入れず、通気層を通って外部に放出するため、木造、2X4、鉄骨系住宅の耐久性向上に最適。

 

上記のコスト

コスト 従来の内断熱よりも坪単価で5〜10%アップする。
しかし、耐久性や快適性は向上する。

外断熱、外壁通気概念図

 

2.プランに一言

1.点検口はありますか。

点検口位置床下や小屋裏への点検口は必需品です。
万が一の水漏れや天井内や土台の腐朽やシロアリ被害のチェックなど、床下、天井用点検口は必ず必要です。
床下は出来れば水廻りの集中する洗面所か台所に。
小屋裏用は、2階階段の上がったところなどがベスト。
それぞれ、最低1カ所ずつ設けるとベストです。

右の図では、1階の点検口が多いように感じられますが、実際に床下にもぐって土台などを確認するのは大変な作業で、何か起こったから仕方なく、と言う場合以外はよほどのことがない限り出来るものではありません。
それならば、木材の腐朽やシロアリ被害の出やすい水回りや建物のコーナーに小さくてもよいから、すぐにあけられる小さな点検口が欲しいものです。図のリビングなどは、テレビの家具台などの下になる部分だと、点検口も気になりません。

注:点検口は、45cm角、30xm角などの大きさがあります。リビングなどは30cm程度の小さなものが良いです。

 

2.床下の高さは45cm欲しい。

床下空間床下点検口はあるけれど、中にもぐれないほど狭い空間しかない住宅もあります。
本来、45cm程度の空間がないと床下の隅々まで行くことも、中で作業をすることもできません。
公庫の耐久性仕様では、基礎の高さは地盤から40cm以上ですが、実際には50cm程度ないと、空間は確保できません。

 

 

3.水勾配は十分取ろう。

鉄骨造やRC造のルーフデッキ(水平な屋根)やバルコニーなどはコンクリートで作られます。
設計の教科書では、最低1/100の勾配でいいと書いていますが、5mの長さで5cm、1mでは、わずか1cmの高低差しかありません。
人間の能力でそんな微妙な勾配はつけられません。
絶対に水たまりの出来ない勾配を取りましょう。(1/50以上)
私のところの左官屋の腕は大丈夫。という工事会社ほどあぶない。あぶない。

4.バルコニー、人工芝もよく考えて。

バルコニーに人工芝やウッドデッキを敷くと気持ちいいね。
でも排水には十分気をつけて。
いつまでも人工芝やウッドデッキの下に水が溜まっている状態だと、建物には不健康。

5.建物周囲の水はけをよくしておく。

雨が降った後、建物の周囲がいつまでもジメジメしていては、床下は湿ってばかりです。
建物周囲の水はけをよくし、屋根の軒の出もできる限り深く取りたいものです

3.豆知識−新幹線コンクリート落下事故(コンクリートの中性化)

新幹線のトンネルや高架橋のコンクリートはなぜ落ちたのか。
もう、本当に落ちてこないのか。
コンクリートは最初、強アルカリ性の性質を持っています。
しかし、コンクリート表面から次第に空気中の炭酸ガスや酸性雨等と反応して、酸性の方向に中和していきます。
これが、コンクリートの中性化という現象です。
ただその場合でも、コンクリートの強度自身には、変化はありません。

しかし、中性化がコンクリート内部の鉄筋まで到達すると、鉄筋は錆びやすくなってきます。 鉄筋が腐食を始めると、当初の体積の2.5倍もの大きさに膨張し、結果として周囲のコンクリートはひび割れや亀裂が生じ始めます。
ひび割れから入ってくる雨などによって、ますます鉄筋の腐食は進行します。
そして、コンクリートが鉄筋の膨張に対抗できなくなったとき、コンクリートの剥離として、落下してしまいます。

そのため鉄筋コンクリートには、それぞれの場所毎に必要な「かぶり厚」が定められています。 新幹線のコンクリート落下事故は、必要な「かぶり厚」がとれていない、薄い部分で発生しています。

JRがおこなった、落ちた部分のコンクリートを上から補修するだけでは、内部の鉄筋は錆びたままです。錆びた鉄筋は、スピードは少し遅くなっても永遠に錆の進行を止めることは出来ません。
TV等で紹介された落下したコンクリートの部分にモルタルで補修するのは、傷口に絆創膏を貼っただけの治療をしたというべきでしょうか。

では、将来どうなるのでしょうか。
全体的な強度には、大きな影響はありませんが、骨粗鬆症のトンネルや高架橋の上を走っていると想像すればいかがでしょうか。

重大事故が発生する可能性は皆無ではありません。
骨粗鬆症のトンネルや高架橋が、無事故で使命を全うできるか、何かの拍子で骨折するかは運しかありません。
安全宣言をおこなった収益優先、問題の先送り、臭いものには蓋の体質は何も変わっていないのです。新幹線に乗るときは、ゆめゆめご用心を。
時速300kmで走る新幹線に1トンのコンクリート塊が落下したらどうなるのか。


中性化の流れ

コンクリートが中性化していく。
これはコンクリートの宿命です。
しかし、コンクリートの表面を塗装などをすることによって、中性化のスピードは抑えることが出来ます。
コンクリートむき出しの高架橋やトンネルは、酸性雨などとも相まって、「かぶり厚」のなさが鉄筋に致命的なダメージを与えかねません。
その点、吹付塗装などで外部を皮膜され、施工時に適切な「かぶり厚」を確保している建物は、安心していましょう。

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