フラット35の耐久性仕様

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住宅金融支援機構の基準金利を受けるためには、機構が定めた、耐久性仕様というものを満たす必要があります。
それが耐久性を向上させる全てではありませんが、必ずしておくべき要素を含んでいます。

建築基準法や機構の融資基準は時代とともに変化しています。
終戦直後や高度成長時代の、まず住宅の数を増やせという時代から、今はいかに良質な住宅ストックを増やすかという時代です。

量の時代から質の時代へ。
これからの住宅性能表示の時代は、さらに技術のレベルアップが図られるはずです。

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在来軸組工法-湿気が木を腐らせる。そして、シロアリとの戦い

木材や構造材の防湿を目的とした仕様

基礎の高さや床下防湿、換気口は、建物の構造体を乾燥させ、木材が腐ったり、結露の発生を防ぐことが目的です。

木材の大敵は湿気。
私たちは、ただ蒸し暑いなぁ。除湿器をかけよう。ということで済んでしまいますが、もし、こんな準備がなかったら、木材は知らず知らずの間にどんどん腐っていくのです。
腐ってからではお・そ・い。

床下、小屋裏の換気通風

小屋裏換気仕様真夏の外気温32℃のとき
小屋裏は、50~60℃、
床下は、25℃以下。
梅雨時は、結露が発生しやすい。
室内は、冷房で28℃で快適。
エアコンと断熱材のおかげで、
あなたは知らないけど、木材は大変なんだ。

注)基礎を断熱工法とした場合には、床下換気口をとる必要はありません。
床下換気口の代わりに最近ではほとんどが基礎パッキン工法です。

木材の防腐やシロアリの防蟻のための仕様

木材のもう一つの大敵はシロアリ。
阪神大震災でも、シロアリの被害で倒壊した古い建物をよく見かけました。
防蟻剤には、ホルムアルデヒドを多く放出するものもあります。
現場塗布などはその典型ですが、安価な防腐土台も工場での加圧注入式のものは、室内汚染物質の放散が少ないといわれています。

2X4工法

面耐震の要となる耐力壁の材料

2X4は、面による耐震です。
その要となる耐力壁の材料を規定しています。
また、当然ですが、釘のピッチがその次に重要です。
釘のピッチを10cm間隔で打っているかどうかは、現場でチェックしたい最重要ポイントです。
どんなに厚い合板を使っても、釘のピッチがいい加減では、耐震性能は大幅に低下します。
また、もっとも手抜きの多い部分でもあります。
10cm毎にくぎを打つ。面倒だ!面倒だ!そんな現場の声が聞こえてきそうです。 あなたに釘のピッチの説明が出来ない工事会社があれば、住宅産業から退場です。

鉄骨造-錆との永遠の戦い

防錆措置

鉄と錆は切っても切れない。永遠のお友達。

鉄骨造仕様鉄骨造は、防錆に始まり、防錆に終わります。
どんなに外見をきれいにしても、中に錆が回るともはや手はつけられません。
また、鉄骨造は、外壁などをシーリングで処理する乾式工法がほとんどのため、漏水やピンホールからの浸透水など、水に対する十分な注意が必要です。
フラット35の耐久性仕様では、錆止めの種類や回数が指定されています。
ハウスメーカーなどの鉄骨材は、工場での亜鉛メッキなどが使用されています。
(最も耐久性の強い防錆方法の一つ)

4.RC造-かぶり厚-コンクリート中性化という自然との戦い

RC造は、材料そのものの耐久性に差がない変わりに、施工方法で大きく耐久性の差が生じます。
RC造は、鉄筋とコンクリートの両方があって初めて強度を確保します。
下図のようにコンクリート表面と鉄筋の間隔<かぶり厚>の確保が重要なのです。
この「かぶり厚」は、コンクリート内部の鉄筋を錆からまもる重要な役目をもっています。
コンクリートの中の鉄筋は錆止め塗装などはしていません。

錆びはじめた鉄筋は腐食で膨張し(2.5倍に膨れる)、コンクリートを破壊します。同時に錆びた鉄筋の強度も低下し、コンクリートの亀裂と相まって強度は著しく低下し、亀裂は水道(みずみち)となって建物のアチコチに漏水をもたらします。

公庫で定められたコンクリートのかぶり厚
地中部分
基礎7cm 以上
柱、梁、スラブ、耐力壁5cm 以上
地上部分
柱、梁、耐力壁5cm 以上
屋根・床スラブ
普通の壁
4cm 以上
全て、屋外側のかぶり厚です。

新幹線コンクリート落下事故。これも上の「かぶり厚」のなさが原因です。
詳しくは、最後のページを。

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