●契約金額の設定
火災保険の契約金額の設定方法には2つの方法があります。
再調達価額 |
同等の建物、家財の再取得費相当額。新価ともいい、契約上は「価額協定保険特約」といいます。 |
時価 |
火災時点の建物の価値。
再調達価額から使用による消耗分を差し引いた金額 |
この違いは、たとえば木造住宅で築15年経って全焼したとき、再調達価額での契約であれば同等程度の建物を建てるに必要な額の保険金が支払われますが、時価であればその時点の建物価値(中古建物として売るときの価格と考えればわかりやすい)の保険金しか支払われません。
●超過保険はムダ!
ここで注意が必要なことは、多めに火災保険を掛けていても戻ってきません。たとえば40坪の家を建て、 坪100万円もかけたのだからと、再調達価額で4000万円の火災保険を掛けたとしても、火災が起きた後の火災保険料の算定は保険会社が行います。下の表が現在使われている再建築価額ですが、東京であれば2360万円の火災保険しか支払われない可能性が高いのです。
自分が勝手に設定した高めの保険金額で下りてくるというものではありませんよ。(それを放置すると、1000万円で建てられる家を建てて、5000万円の保険契約を行い、失火に見せかける詐欺が可能ですからね・・)
|
|
これは家財保険をかけたときも同じです。年代と家族数によって家財の額が決められていますから不必要に高い金額を設定しても保険料がムダになるだけです。
2008年時点の代表的な坪単価(火災保険会社として考えている再建築するときの妥当と思う坪単価)は下記のようなものです。
■新築時の建築価額(一例)
都道府県 |
坪単価 |
東京、神奈川 |
59.0万円 |
千葉、埼玉、大阪、兵庫、京都 |
58.0万円 |
新潟、富山 |
53.7万円 |
青森、宮崎、鹿児島 |
42.9万円 |
ほとんどの火災保険が、 再調達価額つまり、「価額協定保険特約」の保険ですが、保険金額の設定には注意が必要ですね。高くかけすぎても払われないし、安く設定しても建て替え資金に不足するかもしれません。自分の都道府県の坪単価(火災保険会社としての坪単価)を知った上であまり過不足のない保険金額を設定しましょう。
●建物耐火性と保険料
建物の構造によっても火災保険料が違ってきます。
建物の耐火性能が高いほど火災保険も割安になっています。下の表のように耐火建築物である鉄筋コンクリート造のマンションなどは火災保険は一番安く、一般的な木造住宅の4割程度となります。
火災保険では「構造級別」という部分で火災保険料がより分けられますが、おおむね次のような感じです。 |
|
■火災保険金額 2000万円の時のある保険会社の火災保険料の額(年払い)
構造 |
保険料
|
構造級別 |
鉄筋コンクリート造、鉄骨造などの一般的なマンション |
7,360円
|
A構造 |
準耐火建築物−(例:準防火地域の重量鉄骨造3階建て) |
12,220円
|
B構造 |
木造住宅(省令準耐火構造) |
12,220円
|
B構造 |
木造住宅(一般住宅) |
19,470円
|
C構造
|
●地震保険
1.火災保険金額の30〜50%の範囲で任意に設定します。
2.地震保険料は自身の危険性の高い地域ほど割高になっています。下は地震保険金額を750万円に設定したときの、ある火災保険会社の保険料です。
■地震保険750万円の場合の地震保険料(2008年、某火災保険会社)
保険料 |
都道府県 |
23,480円 |
東京、神奈川、静岡 |
22,950円 |
千葉、愛知、三重、和歌山 |
16,130〜
9,530円 |
上下以外の道府県 |
7,500円 |
岩手、秋田、山形、群馬、埼玉、富山、石川、福井、福音、佐賀、長崎、熊本、鹿児島 |
3.建物の耐震性能によっては10〜30%の割引があります。
|