マイホームの基礎知識−計画、構想編住まいと法律・タイトル

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窓の大きさと配置の目安
窓の方角と人間心理学
【実践】 窓の配置・1階
【実践】 窓の配置・2階

 


 

 

 
購入派 VS 賃貸派

 住まいを購入しようとするときに、必ず一度はチェックするのが「購入」か「賃貸」かという比較ではないでしょうか。
 このテーマはいつの時代でも永遠のテーマだろうと思います。

 このページでもしつこく、そのテーマに挑んでみましょう。

 比較するにはその地域に応じた購入価格と賃貸の費用などをできるだけ実態に近づける必要がありますが、なかなかそこまで丁寧な比較をすることはむつかしいですね。

 そのため、ここでは、「今お支払いの家賃で住宅ローンが支払えますよ・・」という古典的セールストークそのままに、住宅ローンの毎月返済額と、賃貸の家賃を同じと設定してみました。そして、難しい物価上昇率による支払金利の変化や、賃貸の家賃の変化などは無視して簡単に計算してみましょう。
 というのは、この低成長時代、そうそう昔のように毎年毎年物価水準が上がることは無いですから、教科書通りの年率○%アップなんておかしいですからね。

●条件・・どちらも35才で入居し、80才の平均寿命までその住まいで生活をしたと仮定します。
購入派
 土地1600万円、建物2400万円、合計40000万円の物件
 自己資金1000万円、35年ローン(金利2.8%、毎月支払額112,131円)
 火災保険等は住宅ローンに含まれているものとします。
賃貸派
 65才までの30年間は、子供がいるので家賃110,000円とします。
 (広さは購入派と同程度の広さと過程)
 その後66才から80才までは、夫婦だけになるため小さな賃貸に移り変え、家賃70,000円とします。  

●購入派の生涯総支出額
支出の内訳
万円
頭金
1000
諸費用
128
住宅ローン35年の総支払額
4709
15年目の修繕費(屋根・外壁の塗り替えなど)
240
30年目の修繕費(屋根・外壁の塗り替えなど、大修繕は無し
240
35才から80才までの固定資産税(45年間)(年間7万円と想定)
315
住宅ローン完了後、80才までの火災保険(年間5万円と想定)
50
土地の売却益(人口減少により地価は下がるものと仮定)
△1000
合計
5,682

●賃貸派の生涯総支出額
支出の内訳
万円
65才までの家賃(30年間)
3960

66才から80才までの家賃(15年間)

1260
引っ越し費用(仲介料等も含む)2回
200
合計
5,420

 さて、ザクッとした比較ですが、これを見ると最終的な生涯総支出はそんなに変わりません。
 もっとも、この比較は、通勤圏内で駅には少し不便だが4000万円で1戸建てが買える地域と、駅に近くて便利だが家賃11万円で賃貸するという家賃とローン支払額が同じということが大前提になっています。

 それが正しい比較なのかどうかはいろいろ異論があると思いますから賢者の皆さんでより実態に即した比較をしてもらうとして、この比較では、実際には購入派では、30年目の修繕時に大規模リフォームを行えば、費用はさらに上がりますが、同時に賃貸派もこれだけ長く(30年間)同じ賃貸に入っていられるケースも少ないでしょうし、関東・関西で異なる「保証金・更新料」などを考えれば、そう単純には比較できません。

 でも、一つだけ大事なことは、購入派は、最初に支出が先行する、と言うことです。購入時の頭金と諸費用に1128万円が必要なのですが、それ以外にローンが終わる70才までの総支出は固定資産税を含めて6562万円になります。
 賃貸派では、70才までの総支出は4550万円です。
 その差は実に2012万円です。

 つまり、最初は大変だが、老後に家賃を支払い必要のない自宅が残る。あるいは土地の売却やリバースモーゲージなどが可能となる購入派。
 対して、最初は負担も少ないが、死ぬまで家賃という固定費を支払わなければならない賃貸派というイメージでしょうか。

 これはあくまでもざくっとした比較なので、実際には、皆さんの地域の実態に合わせてシミュレーションしてみましょう。
 場合によっては、土地・マンション価格の下落などで相対的に購入価格が下がっているために昔のように購入 VS 賃貸という比較自体がナンセンスになっているのかも知れませんね。

 もちろん、駅近でなければ家賃も安くなり、あるいは駅近でも広さを我慢すれば家賃も少なくなりますから、この場合は、賃貸派が必ず有利になりますから、どんな条件で比較するのかも大事な要素です。


・住宅ストックは100%を超えた。
 平成10年にまとめられた統計では、『平成10年の総住宅数は5025万戸、総世帯数は4436万世帯。空き家率は11.5%(576万戸)』(総務省統計局)
 つまり、住宅のストックは世帯数を超えたのです。
 その結果、シャッター通りならぬ住宅でも古い住宅団地では空き家も多くなっていますね。
 そしてこのとき(平成10年統計時)の65歳以上の人の持ち家率は約80%。多くの人が持ち家で老後を過ごすことになるようです。
 (右は総務省統計局がまとめた平成10年度の年齢別持ち家率の割合です)

●魅力的でない賃貸事情(構造的問題)
 上の『住宅ストックは100%を超えた』とありますが、でも、どうしてこれだけ持ち家指向が強いのでしょうか。
 老後の心配というのもあるでしょうが、もう一つの理由は、『今の賃貸が手狭だから』というのも上げられます。子供も大きくなっていくのに、かといって手頃な広さの手頃な賃料の賃貸住宅はなかなか見つからない。という日本の住宅が抱える構造的問題です。

 その原点はもともとの住宅の狭さに加えて太平洋戦争です。

 戦争によって焼け野原となった日本、特に都市部では、住宅のストックなど全くありませんでした。そのため終戦直後は、あり合わせの住宅を造るのが精一杯。次に高度成長期になっても、2DK、ウサギ小屋に代表される狭い住宅の大量生産で、まず住宅を造ることだけが最優先されました。その昭和40年代、50年代は、50m2前後の2DKに家族4人が住んでいることが、その時代のステータスだったのですが、今では50m2の住宅ではせいぜい新婚世帯ぐらいが需要層にしか見られません。
 その後も少しずつ住宅の面積は大きくなっていきましたが、やはりその時代に合ったサイズの住宅でしかありません。
 ・昭和48年の平均床面積  48m2
 ・昭和63年の平均床面積  85m2
 ・平成10年の平均床面積  90m2


 その結果、戸数は満たされても、部屋の大きさは今の時代にフィット出来るような大きな住宅ストックはつくられなかったのです。古い50m2から65m2程度の規格で作られた住宅団地が見捨てられ、空き家が多くなる理由の一つもここにあります。

そして、平成19年度の新築住宅のデータは、
 ・持ち家(平均)      124m2
 ・分譲住宅(平均)      90m2
 ・賃貸(平均)        76m2
 ・社宅(平均)        77m2

 言い換えれば、古い住宅や、今建てられている狭い賃貸住宅は、その質や広さが、今の子供を持った世帯の背丈(要望)に合わないのです。
 これも購入派(持ち家志向)が多い大きな理由かも知れませんね。

●もう一つの大問題、退職金と年金をどう考えるか
 住宅ストックが100%を超えたから、もう住宅は入らない。とは行かないもう一つの理由、それは老後の問題ではないでしょうか。
 これは誰も正確な答えを出せない問題ですが、行き着くところは、
・退職金はいくらアテにできるのか。
・年金はいくらもらえるのか。
 という2つに集約されるように気がします。つまり、安定した老後の生活ですね。

 そして、これら2つの問題も、見方によって二つ違う考え方をすることができます。
 一つは、退職金や年金があまりアテにできないのなら、元気に稼げるうちに老後に備えて家賃の支払う必要のない自宅を持っておこう、というのも一つの選択肢。

 もう一つは、若いうちに蓄えをしておいて、自宅に縛られることなく、もっとバリエーションが増えるであろう有料老人ホームといった賃貸型老人用サービス施設も視野に入れて老後のフリーハンドを持っておこう、だから賃貸だ・・というのも考え方でしょう。

 でも後者の方は、相当自分を厳しく律しなければ、そうそう若いうちから老後のために蓄える・・なんてできませんね。

 住宅を購入するかしないか・・は、今現実に抱える住宅の広さや子供達の校区といった問題と、老後の安定を求める2つの大きな心理が作用しているのかも知れません,。

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