軸組工法(在来工法)の特徴

日本の伝統工芸。住宅の主流

日本でもっとも広く普及しているのが柱と梁で構成される在来工法、あるいは軸組工法といわれる工法で、住宅全体の80%近くにのぼります。
阪神大震災では、この軸組工法が多大な被害を出したことで広く知られていますが、この被害の実態は古い建物や耐震基準を満たしていない建物に多く発生し、平成以降の新しい建物ではほとんど被害がありませんでした。

木の香りを残したい、といった伝統的な木の文化の中で育ってきた日本人には、無垢の木を使い、随所に木の温もりを感じることが出来る捨てがたい工法なのです。

反対にプレカットと呼ばれる工場での木材加工が主流となり、伝統工法と言われつつ、本当の意味での「木を刻む」という大工文化の伝承が危機に瀕している事も事実です。もう、棟梁といった言葉は都市部では死語になりつつあり、無垢材のフローリング等を取り入れつつ、プレカット工法、剛性床、外壁通気工法、外断熱等々いろいろな工法が研究され取り入れられ、軸組工法といってもその特徴を明確に示す建物は少なくなりつつあります。

また、耐震面では阪神大震災の検証を踏まえ、平成12年に改訂された現在の建築基準法では、構造面が非常に細かく規定され、十分に大きな地震に対応できる構造に変化しました。いままで弱かった部分も2X4の面構造を取り入れた剛性床や集成材の活用により、安定した品質を作り出すことが可能となっています。しかし反対に工法が複雑な分、やはり大工さん等の技術の習熟度合いによって、仕上がりや耐久性、入居後のクレームといった面でも大きな差が出てしまうのも事実です。

どんどん近代化されつつあるけれども、やはり習熟度に左右される工法と言えるでしょう。

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構造上の特徴

  • 土台・柱・梁と筋交い・火打ち梁で構成され、耐震面は耐力壁として筋交いや面材耐力壁などが受け持ちます。
  • 耐力壁の量と配置のバランスが耐震上の決め手となります。

施工上の特徴

  • 構造指針があいまいなため大工や工務店の熟練度に左右されやすい。
  • 結合部の施工が悪いと将来きしみ・傾きなどの欠陥が表面化してきます。

外壁・外観

  • 外壁材料はどんなものでも可能で、極めて自由度が高い。
  • 屋根形状も自由にできます。

レイアウトの制約

  • 専門的に構造解析すれば、長大空間も可能。木で造られた体育館やホールなども可能。
  • レイアウトの自由度は一番高い工法です。
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