建築条件付き宅地とは?

建売住宅とは違って、建築業者は変更できないが、自分の自由なプランで家を建てられる建築条件付き宅地。
宅地を買ってから、また別の建築会社を探す必要もなく、一度に事が済んでしまう便利な制度です。

この特集を書くにあたった当時、中規模書店の住宅や不動産、宅建などのコーナーの書籍を見ましたが、建築条件付き宅地について詳しく書かれた本はありませんでした。
知っているようで、よく知らないこの制度をチェックしてみましょう。

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独占禁止法

この制度は、大企業しか縁がないと思われている「独占禁止法」から来ています。
不動産業者が必ず持たなければならない「宅地建物取引主任者」の法律、「宅地建物取引業法」から来ているものではありません。そのため、「宅地建物取引主任者」の試験には出ません。

消費者の権利を守る重要な制度でありながら、その趣旨を伏せて販売する不当な不動産会社も横行しています。
フリープラン」「自由設計」「セット価格」等のタイトルにまどわされることなく、十分な知識を持って住まいの取得をしましょう。

3つしかない販売形態

戸建て住宅の販売には、次の3つの方法しか許されていません。

この形態が一番よくわかるのは、住まいに関心がある人なら一度は見る「リクルート社」発行の「週間住宅情報」。
これを見ると、この3つの表現しか無いことがよくわかります。
注:これ以外に中古住宅や古家付き宅地がありますが、本文とは関係ないため割愛しています。

形態分譲宅地の販売建売住宅建築条件付き宅地の販売
 
建物どんな建築会社を使おうと自由すでに出来上がっているか、着工しつつある。売主などに限定される
間取りや仕上材料自由変更できない( *1)自由だが、売主が出来ない工法や材料は指定出来ない。
広告の特徴建築確認番号が記載されている 建築条件付きと記載されている(*3 )
契約土地の売買契約土地・建物の売買契約土地の売買契約と建物の工事請負契約の2本立て(別々の契約)

分譲宅地の販売

大規模から小規模まであるが、建築会社を全く限定しない状態で販売される。

建売住宅

確認申請を通り、着工間近のものから竣工したものまで様々だが、広告には必ず確認番号が記載されている
そのため、いくら着工していないといっても、間取りや窓の変更などは出来ない。クロスやフローリングの変更は、売り主との協議次第。

実は、マンションも建売住宅なのです。
その証拠に、マンションの案内欄には、確認申請番号が必ず記載されています。

重要-確認申請を通らないと広告し、あるいは販売する事はできない(宅建業法違反となる。)

建築条件付き宅地

売主または、その代理人と工事請負契約を結ぶことを条件として宅地の売買契約ができる。
もちろん、間取りや仕上げは自由。いわゆるフリープラン。
ただし、相手がやっていない工法や納入出来ない材料・機器は当然出来ない。

青田売り

わからなければ、引っかかってしまう違法販売。(宅建業法違反)
建築条件付き宅地の販売とよく似ているが、れっきとした法律違反
新聞折り込み広告の多くは、これ。

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建築条件宅地の販売と青田売りを判別できれば、業者選びにまず失敗はしない。この特集の本論はこの部分にあります。

建築条件付き宅地とは

本来、土地の売り主が工事の請負をするのはダメ。

土地の売り主またはその代理人から建物を建築することを条件に土地を販売することは、「優越的地位の濫用」という理由で、独占禁止法違反に該当するおそれがあるとされています。

しかし、 下の3つの条件をつければ、例外として独占禁止法に該当しないとされています。
→建築条件付き宅地の販売。

 

3ヶ月の猶予(*1)土地の売買契約後の3ヶ月以内に建物の建築請負契約が成立する事を停止条件として土地売買契約を締結する。(解除条件付きは不可)
*1)平成15年3月に公正取引委員会の見解が変更され、3ヶ月という期間は撤廃され、任意の期間となりました。ただ、この見解が広く不動産業界に浸透されていないため、今でも「3ヶ月以内」とする販売形態が多い。
業者の特定建物の建築を請け負う事が出来るものは、土地の売り主(売り主の100%出資の子会社を含む)またはその代理人に限られる。
全額返還建築請負契約が成立しなかったときは、預り金、申込証拠金その他名目のいかんを問わず受領した金銭は全て返却すること。

広告では、次のようにうたわれています。

この土地は、土地売買契約後3ヶ月以内(*1)に売主と住宅建築請負契約をして頂く事を条件として販売します。
この期間内に住宅を建築しないことが確定したとき、または住宅の建築請負契約が成立しなかったときは白紙となり、受領した金銭は全額お返しします。
注)広告により若干表現は異なります。
注)住宅請負請負契約の売主が、代理人の場合もあります。
*1)平成15年3月に公正取引委員会の見解が変更され、3ヶ月という期間は撤廃され、任意の期間となりました。ただ、この見解が広く不動産業界に浸透されていないため、今でも「3ヶ月以内」とする販売形態が多い。

建築条件付き宅地のポイント

建築条件付きのポイントを整理すると次のようになります。

  1. 契約は、土地の売買契約と建物の請負契約の2本立て。
  2. 土地の売買契約と建物の売買契約が同時であることはない。
  3. 3ヶ月の間に、住宅のプランや見積をしてもらい、検討する。(*1)
  4. 3ヶ月以内で、住宅のプランや内容、見積に不満がある場合は解約できる。
  5. ただし、3ヶ月を越えることは出来ない。
  6. 解約しても、土地売買で支払った金銭は全額返ってくる。(無利子がほとんど)
  7. 誰と建物の請負契約をするのかが書かれている。
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