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●消費者契約法

基本理念  
契約の取り消し権  
違法な契約条項の無効

●住まいと法律ミニ知識
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完了検査は受けるべきか?  
無許可でも出来る工事  
あなたも設計者  
建築確認は構造審査を
         していない  
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消費者契約法・契約の取り消し権
 消費者契約法では、ある一定の条件が揃えば、労働契約以外の全ての契約の取り消しが認められています。
 この取り消しの効果は非常に効果が大きく、契約をさかのぼって取り消すことが出来、たとえば新築住宅でこの取り消し権が認められると、建物を解体して更地にする事まで要求することが出来ます。
 では、その取り消し権が認められるケースとはなんでしょうか。法律では契約する前に、相手方の説明により誤認したことによって契約をしてしまったための取り消し権として、3つのことがらが決められています。

 消費者契約法・契約の取り消し権・図
 *画像は、内閣府の消費者契約法のバンフレットより転載


不実告知(ふじつこくち)

 1)その契約に際しての重要事項に対して2)業者が真実さではないことを告げることで、3)誤認した消費者が契約の意思表示をした場合等が該当します。
 ただし注意点は、契約に際しての重要事項が対象で、重要事項とは、客観的に見て消費者の契約締結の意思形成に影響を与える事項を指します。


断定的判断

 断定的判断とは、将来の変動が不確実な事項について、断定的な判断を提供することです。具体的には、展望の良いマンションを買おうとする顧客に「この建物の前には、ずっと何も建ちませんから、見晴らし抜群です」といった説明を受けて買ったのに、その後で高いマンションが建ち、見晴らしを損なわれたような場合です。 (消費者契約法を武器に勝訴した判例があります)


不利益事実の不告知

 これは契約の重要事項に対して、利益のみを提供し、不利益となる事実を『故意に』告げなかったことによって、消費者がその事実を誤認して契約をしたときです。
 ここでも重要事項とは、それがなければ消費者は契約申し込みをしなかった、あるいは承諾の意思表示をしなかったであろうと考えられる事項を言います。(注:不動産取引で言う重要事項ではありません)

 ただし、上の2つが業者の故意や過失に限らず、契約の取り消しをみとめていますが、不利益事実の不告知だけは、業者が故意に告げなかった事が必要要件ですから、少しハードルが高く、消費者が相手を訴える場合は、業者が故意に言わなかった、と言うことを立証する必要があります。

第4条(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消 費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一.重要事項について事実と異なることを告げること。当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二.物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認
2 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者 に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限る。)を故意に告げなかったことにより、当該事実が存在しないとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。ただし、当該事業者が当該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず、当該消費者がこれを拒んだときは、この限りでない。

■取り消し出来る期間は。。。

 ただし、消費者契約法による取消権は、誤認による場合には消費者がそれに気付いたときから6か月の間にしなければなりません。 また、消費者が誤認に気付かないまま年月が経過したような場合、消費者契約の日から5年で取消権は消滅してしまいます。
*追認とは、誤認による場合には消費者がそれに気付いたときのことを言います。

第7条(取消権の行使期間等)
第四条第一項から第三項までの規定による取消権は、追認をすることができる時から六箇月間行わないときは、時効によって消滅する。当該消費者契約の 締結の時から五年を経過したときも、同様とする。■困惑
 上記以外に、困惑(不退去、監禁)による取り消し権がありますが、住まいの水先案内人 堀より取引では発生しないので省略しています。

 内閣府の「消費者契約法の解説ページ」では、下のような事例を説明しています。難しい表現で書かれてあり、やや難解ですが興味のある方は見ておきましょう。特にケース3等は勘違いしやすいので注意が必要です。

(ケース1)住宅販売において、「居住環境に優れた立地」という表現を用いたが、当該住宅の購入者にとって、さほど優れているとは感じられなかった。
(考え方) 「居住環境に優れた立地」という表現自体は、主観的な評価であって、客観的な事実により真実又は真正であるか否かを判断することができない内容であるので、「事実と異なること」の告知の対象にはならない。他に「当社のマンションは安心」と表現した場合も同様の例と言える。


(ケース2)住宅建設用の土地の売買において、「近くにがけがありますが、この土地なら 全く問題はありません。」との説明を信じて契約した後に、その土地は、がけ地に接近しているためそのままでは考えている通りの住宅を建設することができない上に、擁壁の設置も必要であることがわかった。
(考え方) 「この土地なら全く問題はありません。」との説明は、住宅建設用の土地の売 買契約の締結に際しては、「この土地に住宅を建設するに当たって特段の障害はない」ことを告げたものと考えられるから、がけが接近していて考えているとおりの住宅を建設することができないこと、また住宅を建設するには擁壁の設置が 必要であること等の場合には、「事実と異なることを告げること」にあたり、第4条第1項第1号の要件に該当し、取消しが認められることもあり得る。


(ケース3)建築請負契約において、基礎材は杉であると説明されて契約を締結し、仕様書にもそのように書かれているが、実際には米栂であった。
(考え方) 「基礎材は杉」ということは債務の内容になっていると考えられる。したがっ てこの事例は債務不履行の問題であり、「事実と異なること」を告げる行為には当たらない。
・・・不実告知(事実と異なる)では、債務不履行と間違いやすいケースが多いので注意が必要です。


(ケース4) 新聞の折込チラシを見て築5年の中古の一戸建て住宅が気に入ったので、業者 から「築5年である」旨の説明を受けて、売買契約を締結した。念のため登記簿 を調べてみると、実際には築10年であることが判明した。
(考え方) 重要事項(経過年数)について、真実と異なることを告げている(築5年と告げたこと)ので、第4条第1項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。


(ケース5)建築請負契約において、事業者から「当社の住宅は雨漏りしません。」との説明を受けて契約した
(考え方) 雨漏りするか否かといった住宅の性能は「将来におけるその価額、将来におい て当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項」にはあたらず、取消しは認められない。


(ケース6)(例えば、隣接地が空き地であって)「眺望・日当たり良好」という業者の説明を信じて中古マンションの2階の一室を買った。しかし半年後には隣接地に建物ができて眺望・日照がほとんど遮られるようになった。業者は隣接地に建設計 画があると知っていたにもかかわらずそのことの説明はなかった。
(考え方) 消費者の利益となる旨([例えば、隣接地が空き地であって]眺望・日当たり良 好)を告げ、不利益となる事実(隣接地に建物ができて眺望・日照が遮られるようになること)を故意に告げていないので、第4条第2項の要件に該当し、取消しが認められる。
・・・認められた判例があります。


(ケース7)「品確法上の性能評価住宅である」と説明して販売した建物が、実際には評価住宅でなかった場合は取り消しの対象となるのか。
(考え方) 買い手が、「性能評価住宅で無ければ買わない」と意思表示をして契約の目的を明確にしていた場合は、契約を締結する判断に影響を及ぼす重要事項となりうるので、取り消しの対象となる。
・・・この場合、意思表示をしたことを、立証出来るかどうかがポイントです。


(ケース8)この断熱材を使えば結露は発生しない、と告げられたのに結露が発生した。取り消しは可能か。
(考え方) 断定的判断の提供からすれば、「財産上の利得に影響を与えるものではない」ため、断定的判断の提供による取り消しは出来ない。そして、不実告知で言えば、結露が発生しないことが、「契約締結の重要事項とまではいえない」ので、取り消しは出来ない。と言うことになる。
・ ・・個人的に結露がイヤであっても、個人的基準ではなく、社会的な価値観で重要事項を判断する必要があります。

注:不実告知では、勧誘に際してなされていることが条件なので、チラシや広告の内容の重要事項に間違いがあっても、それだけでは「不実告知」にはなりません。

困惑

消費者契約法・契約の取り消し権・図 上記以外に、困惑(不退去、監禁)による取り消し権がありますが、住宅の取引では、まず発生しないので省略しています。(悪質リフォーム商法では不退去の事例はあり得ますが・・) *画像は、内閣府の消費者契約法のバンフレットより転載  


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