欠陥住宅裁判の心得住まいと法律・タイトル

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●民法

ご注意とお断り・・・
○トラブル対策の武器
建築主の最大の武器
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○契約解除について
契約解除は出来るのか
契約解除できるとき

●欠陥住宅裁判の心得
 裁判は、一審制と心得よ!
裁判の勝ち負けは
 人との巡り合わせ次第かも

裁判の長さ=往生際の悪さ
裁判の掟
裁判、行政処分、刑事罰
裁判官という職業
調停か、裁判か?
正義が勝つとは限らない
  その理由とは
欠陥住宅裁判に勝つ方法  
裁判に勝つための
      弁護士の選び方
○弁護士のこと
 選びたい弁護士
勝つ弁護士、負ける弁護士
ありがたくない仕事

○裁判に正義は無い!
 勝って7割、示談的判決
 逆転勝訴。そんな格好の
  よいもん。無い!無い!

 判決スルーの術

●欠陥住宅・裁判事例
・なんちゅう仕事や。これは
  1.呆れた仕事
  2.呆れた反論
  3.収支決算
・欠陥工事のデパート
  1.目が点になる工事
  2.底版の無い基礎
  3.結末は・・・
・建築家トラブル
  1.金払え!

●判例ミニ知識
 以下の者、懲役1年に処す

 欠陥住宅と慰謝料   
欠陥マンションに最高裁
       画期的判決
そんなアホな!最高裁判例  
名義貸し建築士に断罪 



 

 

 

 
裁判は、一審制と心得よ!

 『日本の裁判は三審制である』
 たぶん中学校ぐらいで、そう習ったような記憶があります。
 下級審の判決に不服があれば上告できますが、必ず最高裁まで上告できるわけではありません。
 最高裁に上告するには、憲法違反や憲法解釈の違い。そして、判例や法律判断の間違いが疑われる場合だけで、民事裁判の場合は実質的に二審制といっても過言ではありません。

 でも、地裁がダメでも高裁があるじゃん!!
 と思っていませんか?
 でも実態は違うのです。


★実際のケース
 私は今まで30数例の裁判に関わりました。
 その中で地裁からでは無く、地裁で負けたので高裁の控訴審から参加した、というケースも2回ほどあります。あるいは、「敗色濃厚だから助けて」と地裁の後半から関与した、というケースもありました。

 そのケースを追ってみると・・・。

★高裁(控訴審)の場合
 最初の地裁段階では全く関与せず、高裁の控訴審から参加したケース1では、3/1000に満たない不同沈下に対して訴えられていました。どう考えても、そして、各種法律に照らしても違反ではありませんので、その弁護を賢明にしたのですが、高裁判決は一審を踏襲するものでした。
 ケース2でも、建物の不同沈下が問題となり、基礎幅の少なさが不同沈下の原因である事を主張しても、高裁判決は一審を踏襲するものでした。

 技術的、法的にはどう考えても施工者の設計あるいは施工が悪いのですが、一審の相手側の巧みな誘導で一旦出来てしまった裁判官の心証は、二審でいくら法律や技術的資料を根拠にした説明でも覆ることはありませんでした。

★途中からの地裁参加
 「どうも敗色濃厚です」という事で途中から地裁の弁護に参加したケースが2回ほどあります。一つは逆転で勝訴したのですが、もう一つは、これも相手の争点を変えた巧みな誘導で敗訴してしまいました。


★野球に例える必勝パターン、負けパターン
 実はこれ、野球に例えるとわかりやすいんです。

 勝訴するパターンというのは、提訴した時点、野球で言えば初回に十分な得点(裁判で言うと強固な主張、言い分、立証)をして、相手(被告)の攻撃(得点、反論)を許さない体制を取ることです。右の(先手必勝)のパターンです。

 私が見てきた多い負けパターンは、初回の得点(提訴時の主張や立証、その根拠)が十分ではなく、裁判の前半部分で、相手の攻撃(反論)を許してしまうケースです。右の(先手の有効だが少ない)という経過をたどる裁判です。
 点数の上では原告の方が点数は取っていますが、裁判官の印象からすると、モグラの穴から何回もモグラが出てきて、叩き通せていない。言い換えると相手の反論を許している状態で、どっちもどっちの印象なのです。つまり、どちらの主張にも一理あると受け取られてしまいます。

 同じ負けパターンで、相手の攻撃の方が強いので負けそうだから応援して、と私の方に依頼されるのですが、3番目の表の(起死回生は無い)のように、野球で言えば7回、裁判で言えば終盤に、すでに5対5のイーブンになっていて、次の8回で逆転させようと別の弁護士や建築士に依頼しても、裁判官からすると、今までの印象があるので、いくら5点という大量得点を取ったとしても、前半の経過に引きずられてしまうのです。

 この傾向を実際の裁判で受けたのが上の事例ですね。
 だから、地裁で負けても高裁があると考えると大間違い。


★高裁裁判官独特の傾向

 また、私が感じた高裁の裁判官、というものは、「地裁の裁判官は、同じ仲間で有り、間違いをおかさない」という前提で資料を見ているのでは無いかと感じる部分があります。
 あるいは、そもそも裁判官からすると、控訴されない方が良いわけで、控訴されても地裁裁判官の失点にならないように、新たな主張は無視して判決を書き、地裁判決を踏襲する。

 以前、控訴審から関与したある裁判(高裁)では、一生懸命資料を作成し、関係法令を例示し、都合3回、100ページ近い資料提示を行って弁護に励んだのですが、あろう事か、高裁の判決では、こちらの反論の一つ一つに納得のいく判決理由が書かれていたのでは無く、「堀建築士の意見は信用できない」という極めて乱暴な一行の言葉だけで、一切の反論資料を無にされる呆れた判決を目にしたのです。
 まぁ。刑事事件のニュースで「・・の証言は信用できない」なんて報道を聞いたことはありますが、まさか、このような使い方をしてくるとは・・と、呆れ果ててしまいました。そう考えれば、裁判官って楽な商売です。(判決文は一方通行で、判決文の説明を求めることなど出来ないからです)
注:この事件、弁護士自身もひどかったのですが・・。その弁護士は後で衆議院選挙に立候補していました(落選)。弁護士活動もおざなりでしたが。

★せっかくやから、まけたるわ!
 もう一つ控訴審で腑に落ちないのは、相手が負けたので控訴します。
 そうすると判決自体はこちらの勝訴になるのですが、損害額は、なんだかんだと理由を付けられて少し減らされます。
 つまり、「まぁ。被告さん。せっかく控訴したんだから、手ぶらも何だろうから、地裁で決まった賠償金を少しだけ減免しといてあげるわ・・
 そんな穿った気持ちを抱いてしまうような控訴審判決も2つ経験しています。

 まぁ。裁判って決して正義ではありませんよ!!
 裁判を考えているのなら、そして、進行中なら、このこと、肝に銘じておきましょう。



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