住まいと法律・法律ミニ知識住まいと法律・タイトル

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●建築基準法など
○建物の法律
       
用途地域
道 路
建ぺい率
容積率
道路斜線
北側斜線
日影規制と3階建て住宅

○道路の法律  
私道とは 
私道の権利と義務
ミニ開発の出来る訳


○工事中の損害
 
工事中の損害  
工事中の火災・風水害  
工事中の第三者事故
まとめ

○お隣さんとの関係
 
隣地使用権 209条  
排水の権利義務 214条 
界標設置権 223条  
外壁後退義務 234条 
目隠し請求権 235条

●消費者契約法

基本理念  
契約の取り消し権  
違法な契約条項の無効

●住まいと法律ミニ知識
改正・建築確認制度の概要 
完了検査は受けるべきか?  
無許可でも出来る工事  
あなたも設計者  
建築確認は構造審査を
         していない  
確認申請後の変更は可能か



 
 
改正・建築確認制度の概要


 強度偽装事件を受け、2007年(平成19年)6月20日、 建築基準法が改定され、建築確認の手続きにも大きな変更がありました。


■倍になった
申請手数料
 申請手続きの複雑化によって、建築確認の手数料は大きく引き上げられました。 (単位:万円)
建物規模 改正前(*1) 改正後(*2)
200m2以下の木造2階建て住宅

4.4

8.0
1000m2以下の自由量鉄骨造の郊外型飲食店
10.2
19.0
5000m2以下の鉄筋コンクリート造のマンション
(*3)

35.0

80.0
(*1)平成12年当時の手数料。 (*2)審査機関によって手数料のバラツキがあるため、あくまでも目安です
(*3) 5000m2以下の鉄筋コンクリート造のマンション
は、構造のピアチェック有りとしての料金

改悪その1:法改正が審査手数料の大幅値上げを招いています


■審査日数が延長された

 木造2階建てまでの住宅の審査期間は変わっていませんが、木造3階建てや他の大きな建物は、従来21日以内の審査期間が35日に延長され、理由があればさらに35日延長(70日間)が可能になりました。

現状(8月末)の審査実態は、木造2階建てで従来4.5日だった審査期間が2週間程度かかっており、木造3階建て、その他の大規模建築では2.3ヶ月かかる建物も出そうです。(改正前は2週間程度だった)
改悪その2:法改正が、工事着工のズレを招き、経済活動を停滞させています。


■【重要変更】門前払い方式への変更
 いままで、建築確認を提出すれば、その図面に不備があっても、訂正という方法で修正することが可能でしたが、これが一切認められなくなり、誤字・脱字程度以外の記載漏れがあると、「法に適合しているかどうか決定出来ない旨の通知」というはがき一枚で、門前払いとなり、最初に支払った審査手数料も没収されてしまうことになりました。
 このことが、建築確認の現場で大きな混乱の発生と審査の長期化の原因の一つとなっています。


■その他の変更
1)図面の保存は15年間

 図面の保存期間が、今までの5年から15年に大幅に延長されました。
 それもパソコンなどの電子データはダメで、紙での保存又はマイクロフィルムの保存しか認められていません。
改悪その3:ハウスメーカー、設計事務所は事務所スペースより大きな物置が必要になりそうです。

2)処分者の公表
 従来、建築士免許の取り消しがあっても氏名は公表されませんでしたが、今後インターネットなどで公開されることとなりました。悪質な建築士の氏名公表、これは良いことですね。

3)申請書への全建築士の記載
 建築確認書には、確認申請図書の作成に関わったすべての建築士の氏名を記載するようになりました。もっとも、住宅レベルで複数名も記載するようなことは無いでしょうけど。。。

4)構造計算の安全証明書の添付
 木造3階建てなど、構造計算で建物の安全性をチェックした建物には、建物の安全性を確かめた旨の証明書構造設計者の自宅の住所入りで添付することが義務づけられました。
改悪その4:構造設計者よ。おまえ達は誰からも信用されていないから、自宅の住所まで暴露して(記載して)明々白々、神妙にいたせぃ。・・的発想の人権を無視した制度改正ですね。

■【重要変更】工事途中の変更が、厳格になった
 もう一つ、建築主にとって覚えておくべき問題は、工事途中の変更が非常に厳格になった。ということです。
 その理由は、改正前は、サイディングを例に取ると、サイディングと記載し、その防火等の認定番号の記載し、完了検査でもサイディングの実物と認定番号をチェックするなどと言うことはしていませんでしたが、法改正で、認定書まで付ける必要があり、認定書は、サイディングの各シリーズ事に取得されているため、色決めを残す程度の所まで決めて確定しないと申請出来なくなったのです。これらは、住宅では、屋根材、外装材、キッチンの壁紙やキッチンパネルなどが該当しています。

 もちろん、工事途中の変更をダメとしているのではありません。しかし、今回の法改正では、変更をするなら、その変更の許可が下りてからでないとその工程に進めない。という風に運用規則が厳格化されました。
 例を言うと、サッシの大きさを変えるのであれば、サッシを取りつける前に計画変更届を提出して決済をもらわなければ、サッシを取りつけてはならない。あるいは、屋根材、外壁材を変えるのであれば、同じランクの製品以外では、その工事に入る前に申請をして、決済をもらわなければならない。というものです。
 下記の軽微な変更に含まれていない変更は、計画変更届という最初の建築確認と同程度の変更手続きが必要となり、また、下記の軽微な変更であっても、認定書を揃え、完了検査までに手続きを終えておかなければ、完了検査すら、「検査済み書を発行出来ない旨の通知書」1枚で門前払いとなってしまい、再度、完了検査を申請し無ければならないのです。(もちろん、検査料は、Point-3同様に2度払い)

■軽微な変更例(建築基準法施行規則第3条2)
下記の内容以外は、最初の建築確認と同程度の内容の計画変更届が必要
部位 軽微な変更説明書だけでよい変更
高さの変更 建物の高さを減少する変更
延床面積の変更 床面積が減る変更
屋根、外壁、防火戸などの変更 同等又はランクアップする変更
窓やドアの位置や大きさの変更 防火・準防火地域以外で、窓やドアを大きくする変更
>天井高の変更 天井高2.1m以下にならない程度の変更






■建築確認までに決めておく事
 建築確認を申請をするまでに、下記のことを決めておく必要があります。
(審査対象)
・建物の配置
・間取り
窓の種類(*1)と位置や大きさ、
玄関ドア、勝手口ドア(*1)など
屋根材・外壁材(*1)
キッチンの壁紙やキッチンパネル
24時間換気の設備や換気口の位置
・屋根の形状や庇などの出幅
・住宅用火災報知器などの位置
・浄化槽
特にアンダーラインの赤字は、今回の法改定で、メーカーの認定書を添付する必要があるものです。
(*1)使用するメーカーとシリーズの決定(色決めまでは不要)


■建築確認時に決めておく必要のないもの
 下記のようなことは、建築確認や検査には特に関係がないため、建築確認の提出時に決定しておく必要はありません。
・床材やキッチン以外の壁材など
・室内建具の種類や色など

 上記は、一般的なものを書いています。構造の違いや、防火・準防火の違い、あるいは2階建てと3階建ての違いなどで、適用される法規定も少しづつ異なります。


■建築条件付き、建売住宅は要注意
1)変更を一切させない会社も出てくる
  いままでは、工事途中の変更もある程度融通が利いていました。しかし今後は手続きの厳格化を口実に、「建築確認後の変更は出来ない」と称して変更を一切させない会社も出てくる恐れがあります。
(建売系などでは、その可能性は非常に高い)

2)検査がずれれば、引渡がずれる
 上のようなことをする理由は、うっかり変更手続きを忘れていただけで、完了検査の門前払いを食えば、引渡期日も、ローンの手続き予定もすべて変わってくるのです。
 極端な例では、12月20日引渡予定が、手続きミスで、検査を受けられず、年を超さなければならない事態も考えられます。もしそうなれば、年末入居を楽しみにしていた建築主も、年末に資金回収出来ると思っていた売主も双方大変です。
 では、キチンと手続きをしておけばいいじゃないかと思われそうですが、顧客のことなど考えていない、営業と設計と現場監督の連携の極めて悪い彼らは、そんなリスクの高い事を約束するぐらいなら(安易に変更できます、と言うぐらいなら)、「建築確認後の変更は出来ない」といって、一律に変更をさせない方が、彼らにとっては安心ですね。

■注文住宅−連携の弱い、技術力の低い会社も要注意
 注文住宅だけの会社でも、こういった申請手続きを外部に委託していたり、営業、設計、現場監督の連携の悪い会社が多いです。
 チョットした変更を現場と相談して行っても、実は変更手続きの必要な工事だったのに、手続きをしていなければ完了検査を再検査が必要になり、後で大あわてで申請をする羽目に陥り、引渡日程も変わってくるかも知れません。あるいは、現場監督が、申請手続きの事情に疎ければ、上のケースと同様に、一切の変更は出来ないのだ。と自分の保身のために予防線を張りがちです。
 今まででも、「建築確認後の変更は出来ない」という無知な営業マンや現場監督が多かったのですが、今後はなおさら、このような事を口に出す営業マン、設計者、現場監督が多くなります。
 あるいは、変更するなら、引渡の遅延には一切文句を言わないと予防線を書き込んだ契約書を作ってくる会社も多いと思います。

 出来ないのではありません。上のイラストで説明しているように、融通が利かなくなったのです。忘れていました・・が、通用はしなくなっただけなのです。しかし、消費者軽視の、面倒な事を避けたい売り主や建築会社は、顧客に変更を言わせない方向に進んでいく可能性があります。


■変更には手間と費用がかかる
 少しの変更でも、変更手続きのための手間と費用が発生すると考えましょう。そのため、 建築確認の提出には、十分な検討をした上でゴーサインを出しましょう。
■疑問に思えば、役所や審査機関に質問しよう!
 こんな変更をしたいのだが、設計者、現場監督に聞くとダメだ!の一点張り。そんなときは、諦めないで、役所の建築指導課、あるいは審査課といった建築基準法を所轄する部署に具体例な説明したうえで、意見や法律の説明を求めてみましょう。もちろん、自分の建物を審査した審査機関が分かっているのなら、そこに電話を入れても良いでしょう

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