住まいと法律・法律ミニ知識住まいと法律・タイトル

インデックスページ・・

●民法

ご注意とお断り・・・
○トラブル対策の武器
建築主の最大の武器
その前に債権・債務
債務不履行
違法工事と不法行為
建築確認と委任行為
まとめてみると

○契約解除について
契約解除は出来るのか
契約解除できるとき

●欠陥住宅裁判の心得
 裁判は、一審制と心得よ!
裁判の勝ち負けは
 人との巡り合わせ次第かも

裁判の長さ=往生際の悪さ
裁判の掟
裁判、行政処分、刑事罰
裁判官という職業
調停か、裁判か?
正義が勝つとは限らない
  その理由とは
欠陥住宅裁判に勝つ方法  
裁判に勝つための
      弁護士の選び方
○弁護士のこと
 選びたい弁護士
勝つ弁護士、負ける弁護士
ありがたくない仕事

○裁判に正義は無い!
 勝って7割、示談的判決
 逆転勝訴。そんな格好の
  よいもん。無い!無い!

 判決スルーの術

●欠陥住宅・裁判事例
・なんちゅう仕事や。これは
  1.呆れた仕事
  2.呆れた反論
  3.収支決算
・欠陥工事のデパート
  1.目が点になる工事
  2.底版の無い基礎
  3.結末は・・・
・建築家トラブル
  1.金払え!

●判例ミニ知識
 以下の者、懲役1年に処す

 欠陥住宅と慰謝料   
欠陥マンションに最高裁
       画期的判決
そんなアホな!最高裁判例  
名義貸し建築士に断罪 



 
 
以下の者、懲役1年に処す


 2007年(平成19年)6月20日、 一昨年11月に発生した耐震強度偽装事件を受けて、建築基準法が改定されました。
 大きな改定の一つに、罰則の強化があります。
 耐震強度偽装事件では、姉葉元建築士の他わずかなものしか、刑事被告人にはなりませんでしたが、今回の改正では、幅広い範囲で懲役1年とする規定が盛り込まれています。
 懲役刑。それは、犯罪者である刑事被告人(*1)になる可能性があるということなのです。
 
改定された規定の中でも、このページでは、戸建て住宅に関係する規定だけを詳しく説明しています。


■中間検査、完了検査を受けない者は、懲役1年

 建物には中間検査(*2)や完了検査が義務づけられていますが、これらを受けない者は懲役1年と規定されました。
 改定前は30万円の罰金だったのですが、一気に懲役刑まで引き上げました。現在、建築確認が提出された建物の総数の対して、約30%の建物が完了検査を受けていません。
 戸建て住宅でも、「完了検査はなくても良いです(*3)」と平気で言う業者がいます。でももう、その言葉は通用しません。

■建築主の方へ
 もし、完了検査は受けなくても問題ありませんから。。。と言われたら、そのときは、きっぱりと断って下さい。
 なぜなら、この規定には、建築主も含まれているからです。
「私は犯罪者になどなるつもりは無い。
完了検査を受けなければ建物の引き渡しも、お金も支払わない」と拒絶しましょう。(*4)


■構造技術規定に違反した者は、懲役1年
 今回の法改定では、2階建ての木造住宅などの構造審査は見送られました。つまり、「ほんまかいな!建築確認」で説明しているように、耐震性や耐久性のチェックは建築確認を提出しても一切審査されず、設計者に一任されています。
 このサイトのサポートサービスの事例でも、建築基準法の耐震基準に満たない設計をした建物(つまり、最低限の壁量計算も出来ない設計者)は年に1.2件程度存在し、軸組み工法では、構造規定の一部、特に金物選定方法を全く知らない設計者、監理者、施工者が1/5程度存在しています。
 2x4工法では、1/3程度の設計者、施工者が仕様規定を知らずに、壁量計算や耐力壁の位置すら設計出来ず、監理すらしていない状態です。(*5)
 なお、軸組み工法の金物算定とは、住宅事件簿の「耐震金物の不備」を差し、2x4工法では、「内部耐力壁の不備」などを指しています。

 しかし、今回の法改定では、これらの仕様規定に違反した設計者、施工者あるいは建売住宅の売主らは、懲役一年と規定されました。(*6)
 誰も使わない警告程度の規定から、一気に退場を意味する「レッドカード」になったのです。

 もはや、そんな法律(構造仕様規定)があることは知らなかった!では済まないのです。
 この改定は、知らず知らずに作られている違法住宅を防止する抑止力として非常に大きな意味をもっています。

 今回の法改定は、これら構造規定も知らずに設計している設計者あるいは、知らずに建てている施工者に対して、建築主が民事上の損害賠償請求だけでなく、刑事上の「刑事告訴(*7)」が出来る新しい武器を提供されたことになります。
 そして、国はやっと、戸建て住宅という極めて小規模な建物に対しても「人の生命・財産への危害の発生に繋がる規定」という表現で小さな建物の違法建築も許さない姿勢を示したのです。

■建築主の方へ
 もし、あなたの設計者、施工者が、構造規定を知らずに設計し、施工しているなら、「私は自分の生命・財産に危害が加わる恐れのある設計も工事も頼んだつもりはありませんし、その様な設計や工事に代金を支払うつもりもありません」といって、このページを見せましょう。

■設計士や、施工者売主の方へ
 もし、あなたが、構造規定を知らずに設計し、施工しているなら、そして、 それを10件も20件も続けているなら、集団告発をされれば建築士免許の取り消し、刑事被告人になる可能性すらあります。(*8)
もはや、知らなかったでは済まされないのです。
そして、不法行為(違反建築)の時効は、20年です。つまり、完成から20年間の間、いつでもあなたは訴えられるのです。
(*9)



(*1):刑事被告人とは、起訴されてから判決が確定するまでの段階にいる人のこと。

(*2):戸建て住宅でも地域と建物規模によって、中間検査の有無が異なっています。

(*3):登記は完了検査を受けていなくても可能です。銀行融資では、検査済み書(完了検査)が必要な銀行と不要な銀行に分かれています。

(*4):もし、完了検査を受けることで新たな費用が発生する、あるいは引き渡しが遅れると言われたときは、あなたに生じた全ての損害、あるいは相手から請求される費用は、どちらも相手が負担すべき費用なのです。
 それは、法律上の義務を履行するために、その手続きを怠り、あるいは新たに費用が発生するのは、全て相手の過失なのですから。


(*5):当サイトでは、その都度、違法部分の是正指示を建築主に対して行っています

(*6):国土交通省の解説書より引用
『違反した場合に人の生命・身体への危害の発生に繋がるおそれのある技術基準規定(構造計算を要しない建築物に係る構造耐力基準、市街地内の建築物の屋根・外壁に係る防火基準、昇降機に係る構造・防火基準等)について、凍害規定に違反した建築物の設計者、施工者、建築主等は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(現行50万円の罰金)に処することとする。(建築基準法第99条第5号、第6号、第12条、第13条、同条第2項)』

(*7):刑事告訴とは、捜査機関に対して犯罪を申告し処罰を求める意思表示で、犯罪被害者が申告する場合を告訴(刑事訴訟法230条)といい、被害者でない第三者が申告する場合を告発(刑事訴訟法239条1項)という。マスメディアなどで、刑事告訴・刑事告発ということもある。

(*8):耐震強度偽装事件では、刑事被告人になった者は、基準法の罰則自体が緩かったため、姉葉元建築士以外にはいなかったですが、免許取消処分になった者は、一連の強度偽装事件では20〜30人の多数にのぼります。

(*9):不法行為とは、法律に違反した行為を差し、建築基準法に適合していない設計あるいは工事をした事自体が不法行為となり、その時効は20年です。そして、壁などを少し壊して調べる事をすれば、金物が付いていない、釘が仕様規定と違うといった立証はいとも簡単です。


■このページを読まれた設計者、監理者、施工者、売主の方へ
今回の法改正は、確認申請の手続き面での大混乱だけが大きく伝えられていますが、基準法の罰則強化や確認申請書の設計、監理者の氏名記載の強化、そして、従来からある「不法行為」の時効20年というものを考えると、もはや、違法建築は出来ないのです。それは、故意(意図的にやった事)か過失(知らなくてやった事)かは問いません。そして「不法行為」の時効20年を考えれば20年さかのぼって訴えられる事を肝に銘じておくべきなのです。

また、最近の最高裁判決でも、売主だけでなく、買い手と直接関係のない施工者にも賠償を認める画期的判決を出しています。もはや施工者は、売主の影に隠れることも出来なくなっています。
さらに同じ最高裁判決は、法規違反の工事(本来の不法行為)だけでなく、「広く人の生命・身体への危害のおそれのある瑕疵工事」をも、不法行為であると断定しました。(これらは、次回紹介予定です)

いまや、欠陥工事、違法建築の建築主は、民事的手段に加えて、刑事的手段を手に入れました。

コンプライアンス(法令遵守)は、他業界の他人事・・・ではありません。
そして、そんな法律(構造仕様規定)があるとは知らなかった、では済まされない世の中になりつつあるのです。
あなた、あるいはあなたの会社が、そんな構造規定があることを知らずに造った数年前の工事で違法設計、違法建築が見つかり、民事訴訟、免許取消、さらには刑事被告人になる事態すら考えられる時代に入ったのです。


■このページを利用される建築主の方へ
法改定は知っていても、罰則規定の改定まで知っている関係者(設計者、、監理者施工者、売主等の住宅業界関係者)は非常に少ないと思いますから、これらの説明が必要な場合は、下記の資料も一緒に提示して説明をして下さい。
      ・法改正の条文と国の解説文

  判例ミニ知識     
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