業者選びと契約−不確実な時代の「倒産リスク」管理住まいと法律・タイトル

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不確実な時代の「倒産リスク」管理−倒産ってどういう事
■建築会社が倒産したら・・・

 今から家を建てようとする人が勤めている会社が倒産をしてしまう可能性は、極めて低いでしょうし、今勤めている会社が倒産するかも知れない、と思いつつ家を買う人はいませんね。

 つまり、「倒産」は必ずもらい火です。
 そして、建築会社が倒産してしまうリスクは、それが工事中なのか、建物の引渡を受け手から後なのかは別として、常に一定の割合で存在しています。大きな世の中の経済環境の変化によって、その割合(リスク)が大きくなるか少なくなっていくかに過ぎません。

 今後は、その割合(リスク)が高くなっていく可能性が、最近の経済環境の変化で芽生えはじめています。
 そのためには、あなた自身の生活には関係ないけれども、倒産ってどんなこと、ということを少し知っておきましょう。

 

■5つの倒産形態

 倒産には法的には5つの形があり、夜逃げ、バンザイ型を含めれば6つの形態があります。
 下表の「夜逃げ・バンザイ型」「任意整理」「自己破産」が中小規模の会社で起こる倒産の形態で、「和議」「会社更生法」「会社再生法」を使って倒産する会社は大企業のみです。

 従って、もしあなたの依頼した建築会社が倒産するとすれば、「夜逃げ・バンザイ型」「任意整理」「自己破産」という3つの状態のいずれかに遭遇しますが、いずれにしても倒産した時点で、一切の工事は止まってしまいます。

. . 形態 工事は 会社の存続





夜逃げ
バンザイ型
精算も何もせず、文字通り経営者が逃げたりして企業活動を放棄する。後始末をするものは誰もいない状態になる。 中止 自然消滅
任意整理 文字通り、法的な手続きをせず、経営者が債権者に対して、借金の清算や繰延などの交渉を行い、会社を清算する。
まだ、支払い余力や資産があり、取引企業との理解が得やすい場合に行う。
中止 清算
自己破産

裁判所に自己破産の申請を行い、裁判所が命じる弁護士の元で会社の精算手続きを行う。全財産を処分して債権者に公平に分配する。県下中堅クラスといわれる会社では、清算に2.3年程度はかかる場合がある。
裁判所への預託、弁護士費用を合わせ、破産手続きの費用は最低でも、150万円以上必要。

★お金がなければ「自己破産」も出来ない

中止 清算


和議 裁判所のもとで、債権者に対して、債務の返済方法や債権免除額を話し合い決定する。示談と考えればいい。和議が不成立の場合は破産処理に移行する。 中止 清算
会社更生法 会社を存続させるために債権・債務者の了承を得ながら、会社の再建計画を立案し、裁判所の認可をもらって会社再建を図る。
旧経営陣は、全て退陣することが条件。
継続 存続
会社再生法 会社更生法同様に会社再建を目的としているが、旧経営陣はそのまま残っても良い。 継続 存続
 
■自己破産

 会社の精算手続きとして「任意整理」がありますが、現実にこのよう形態をとる会社は極めてまれなケースです。
 ほとんどの経営者は、この程度の状態で会社の清算を行うことはなく、目一杯の借金(銀行借入や取引業者への支払い猶予等)を積み重ね、会社の資金繰りがどうにもならなくなるまで会社を存続させてしまうのが実状です。
 そのため、中小規模の倒産で、多少なりとも「精算する気がある」場合は、「自己破産」での倒産が行われます。
 「自己破産」の手続きは裁判所に申し立てて行うため、公平性は高いですが、自己破産するためにも裁判所に費用を支払い必要があるため、「自己破産」が出来る会社も限られています。
 むしろ、実際には下記のケースが多いでしょう。

 

■不渡り、バンザイ型倒産

 規模の小さな会社では、不渡りを出し、直後にバンザイをしてしまうケースの方が多いでしょう。どんな会社も不渡りを出すかも知れないと言う予兆は発信していますし、取引先も「ひょっとしたら経営状態が悪いかも・・・」と警戒しつつ取引をしていますから、不渡りを出すと、一瞬にしてその情報は取引先各社に伝わります。
 すると不渡りが出た時点で取付騒ぎに発展し、会社の仕事どころではありません。その結果取り立て騒ぎとなり、経営者は雲隠れし、資材や備品を根こそぎ持って行かれます。(厳密には2回目の不渡り)

 経営者が残っていれば、債権者の中の大口経営者が音頭を取って「任意整理」をする場合もあります。
 でも、「自己破産」をするための費用の捻出すら出来ず、あるいは、最後まで何とかしたいと言う希望だけでズルズルと万策つきて不渡りをだし、バンザイをするケースがほとんどですから、めぼしい資金も資産もほとんど残っていないのが実情でしょう。「任意整理」でもなく、「自己破産」でもない、なし崩し倒産です。

 このとき、工事中の現場であれば積まれている資材までも持って行かれます。
 もちろん、即工事はストップします。元請け会社がつぶれ、お金も支払ってもらえないのに、ノコノコ仕事をする下請けなどいませんね。 社長がバンザイと手を挙げてしまった会社の社員が、給与のでる保証もないのに仕事を続けることもありませんね。でも良心的な会社だった場合は、社員が「すみません。倒産してしまいました」と事情を説明しに来る場合もあるでしょう。でもやってくれるのはそこまでです。

 

■夜逃げ

 社長が現金と実印を持って逃げてしまった。。
 零細企業では、このような場面もよく聞く話です。当然、その瞬間に会社は解散。社員はちりぢりバラバラ。精算手続きも何もありません。即刻工事は止まってしまいます。ひどい場合は、個人資産だけをため込んで夜逃げをすると言った場合もあり得ます。手の打ちようのない倒産で、それこそ、債権者は現場の資材でを根こそぎ持っていって換金するしか方法はありません。

 

■建築会社が倒産するとどうなるの???

 建築会社が倒産すると、建築主、つまりあなたはどうなるのでしょうか。
 着工前、基礎工事が終わったとき、上棟直後、完成間近、完成後の5つのケースで見てみましょう。

Q1:契約金300万円を支払って工事もしないままに倒産すれば・・・
  残念ですが、相手が夜逃げした場合はお金は一切帰ってきません。
相手が自己破産を申請した場合は、平均20万円程度(*1)が、破産管財人(裁判所が指定した弁護士)から数年後にかえってきます。 残り280万円はあなたの全損です。
(*1・・一般的な自己破産時の最終精算率はせいぜい2〜5%程度なのでそこから逆算)
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Q2:契約金300万円を支払って、基礎工事まで進んだ時に倒産したが・・
 

夜逃げの場合、仮に基礎工事費が120万円とすれば、その基礎が残るだけで、後のお金は返ってきません。
でもやっかいなことに、知らない業者がつくった基礎の上に建物を建ててくる業者を捜すことはほとんど絶望的です。そういう業者が見つからなければ基礎解体費を含めて、300万円以上の全損です。

相手が自己破産を申請した場合は、平均10万円程度(*1)が、破産管財人(裁判所が指定した弁護士)から数年後にかえってきます。 残り160万円はあなたの全損です。
でも上と同様に、知らない業者がつくった基礎の上に建物を建ててくる業者を捜すことはほとんど絶望的です。つまり、290万円の全損です。
それほど、他業者の仕事など信用していないのが建築業界です。
(*1・・一般的な自己破産時の最終精算率はせいぜい2〜5%程度なのでそこから逆算)

Q3:上棟した時点で倒産し、すでに2/3を支払っています。
 

残念ですが、実際に出来ている工事費(出来高<できだか>ともいいます)よりも、支払っている工事費の方が遙かに大きいでしょう。
でも、その工事費がかえってくることはありません。 ほとんど泣き寝入りとなるでしょう。
後は、続けて工事をしてくれる業者を捜し出し、すでに倒産した会社に支払っている分の費用を追い金をして建ててもらうしかありません。
でも10年保証などは誰もしてくれません。
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Q4:上棟し、内装工事まで終わった時点で倒産し、残金が1/3程度あります。
 

非常にラッキーなケースです。実際に支払った工事費より、完成している工事費の方が多いと思います。
しかし、債権者からあなたの支払っていない残金に対して、残金を支払えと必ず請求されます。
そのために、出来上がった工事費だけを精算して支払うことが出来るように至急弁護士に相談しましょう。建物の保全措置も弁護士に相談しましょう。それによって余分な支払いもなく、損になることも避けられます。

支払っている金額が実際の工事の完成割合よりも低い場合にのみ生じる極めてラッキーなケースです。
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Q5:建物引渡の1年後に倒産してしまいました。
  10年保証の会社の保証に入っていれば、雨漏りと構造面だけは保証会社が10年間保証してくれます。でも、それ以外の不具合はあなた自身の手で業者を捜して直す必要があります。
10年保証の保証会社に入っていなかったのであれば、後の維持管理、補修はすべてあなたの自腹です。
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 建物が完成してから建築会社が倒産しても、そんなに大きなダメージはありませんが、工事中のダメージは、建築主にとって非常に大きなものです。

 実際に出来ている工事費よりも払いすぎている部分は、まず取り返すことは出来ませんし、基礎の例のように、むしろ、出来上がっている基礎すら使えない場合もあります。

 また、工事途中で倒産し、後の工事業者が見つかったとしても、10年保証を付けてくれる業者などはありません。

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