許容範囲は自分流

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尺度の無い世界

右の写真を見てみましょう。
土台とアンカーボルトの工事写真ですが、どれがダメな工事で、どれが良い工事なのかわかりますか?
実は法律(建築基準法)には、土台は、基礎に緊結しなければならない(*1)としか書かれていません。
そして、公庫仕様書やその他の解説書でも、実は許容範囲は全く触れられていないのです。

つ・ま・り・・・・・。
仕事の許容範囲は、ひとそれぞれ、会社によって異なり、100の人や建築会社があれば、100の基準があるのです。
いわば道路に速度制限が無く、ただ単に、安全な速度で走れ、と言っているのと同じことなのです。

許容範囲は自分流!

これらのことは、基礎工事から言っていけば、コンクリートのジャンカやクラックの手直しの基準、アンカーボルトのズレや傾きの許容範囲、土台の座堀の程度、木材の傷、ひび割れの程度と使用限度の程度などなど、施工精度で曖昧になっているものを上げていけばきりがありません。

でも、法律に許容範囲の尺度が書かれていない以上、その尺度は、作り手である人達が、自分たちの尺度で勝手に決めている部分が非常に多いのです。

もちろん、よほど心して仕事に向かい合わないと、ついつい、『まぁ、この程度なら良いか』と自分に甘~い判定をしてしまうのは人間の性ですね。
そのためにえてして、言う側は『大丈夫です』という言葉でしか言えないし、基準が明確でない以上、反論も出来にくいのです。

ここに欠陥住宅が生まれる風土があり、素人の人がものを言えない土壌があり、建築裁判は難しいと弁護士などから敬遠される理由なのです。

*1・・建築基準法施工令第42条 構造耐力上主要な部分である柱で最下階の部分に使用するものの下部には、土台を設けなければならない。(略) 2 土台は、基礎に緊結しなければならない。(略)

さて、左図のように土台とアンカーボルトには、いろいろな関係があります。
あなたは、どの程度の状態であれば、やり直しが必要と考えますか。
そして、どの程度であれば、『まぁ、いいか』と思いますか。
さらに、どの程度であれば、自分の仕事を自慢出来ますか。
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