良品、不良品では区別できない世界

ふるいのかからない業界』の中でいろいろな商品の選別過程を説明していますが、同様に住宅の世界では、そのほとんどの仕事を『現場』という文字通り工事現場の中で、材料をカットしたり、継ぎ合わせたり、組み立てて作業をしています。
つまり、住宅は工事現場そのものがまさに物をつくる『工場』であり、『加工場』なのです。

よく、この出来映えは文句を言うべきか。仕事がきれいとは思わないがどうだろうか。材料が欠けているが大丈夫か。
といった問い合わせを耳にします。

でもよく考えてみましょう。100枚の紙を工場の裁断機でカットすれば不揃いなくカットすることができます。
でも100枚の紙を一枚ずつカットするのであれば、人間がする手作業である以上不揃いがでるのはやむを得ないことです。

スーパーではまっすぐなキュウリしか目にしません。曲がったり、短いキュウリは選別という名のもとで農家の人が食べるか、家畜のえさになるか、捨てられているにすぎません。

つまり、住宅の『現場』では、あなたは生産される工程をそのまま見ているのです。
雑な人が紙をカットすれば不揃いの率は大きくなり、几帳面な人がカットすればその率は少なくなります。

現場には、丁重な仕事を行っている人が多くいる現場か、雑な人が多いかによっても不揃いの率は大きく変わっていきます。

いつも日常生活で完成された物しか見たことがない人々にとっては良品か、不良品かの区別しかないかも知れませんが、多くの作業を現場の手作業で行う住宅の世界では、『優・良・可・不可』という目で仕事を見る必要があるのです。

では、雑な仕事でも寛容になれ、ということでしょうか。 もちろん、そうではありませんね。その品質(出来映え)を管理するのが住宅会社であり、現場監督の職務のひとつなのです。

良質な仕事を求める。

それは、住宅会社がキチンと仕事に向かっているのか。お金だけをもらい、顧客の方を向いていないのかを建築主は現場で、初めて知ることになるのです。そう。業者の選別は契約前から始まっているのです。そして、どんな仕事をしようと、それはあなたが決めた業者なのです。

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インターネットの弊害

最近はほとんどの物事をインターネットで調べられる時代です。住宅に関する情報も氾濫しています。

でも料理のレシピだけをみて最初から料理がうまくできる人などいませんね。
断片的な情報を選択し、その情報を分析できるのは、やはり長年、その仕事をしてきた人達です。

断片的な情報に一喜一憂しないように心がけましょう。

 

不出来に寛容になれというのではありません。
違いを知ることが大事なのです。
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