建築士って「足の裏の米」?

建築士、設計者、建築家・・・

呼び名はさまざまですが、住宅を建てるときに何らかの形で必ず必要な人たちですね。
「建築士」というとなにか特別なもののような考えている方もいますが、特にどうという資格ではありません。

「足の裏の米」・・・「取らないと困るが、取っても食えない」
業界の建築士資格を揶揄する言葉なのですが、建築士資格というものは、米と同じように、業界で生きていこうとすると資格が無いと困る。
しかし、資格があっても飯は食えない。と言うことなのですね。

なぜかって・・・

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建築士の数

建築士の数は意外と多く、全体では100万人を超えています。(平成23.3.31、(財)建築技術教育普及センター調べ)

一級建築士343,650人
二級建築士730,326人
木造建築士16,726人

土建業全体の就労人口が500万人とも言われていますから、その実に20%が建築士なのです。

よく「建築士」資格を持っていることをうらやましがる人がいますが、実際はそれほどいいものではありません。
業界では、掃いて捨てるほどいるんですね。

医師の数 25万人。看護師 99万人と比べれば、その価値がわかります。
特に看護師99万人は、一級、二級建築士の数とほぼ匹敵しますが、看護師は、人手が少なくて引く手あまた。でも、建築士の方はやや過剰気味です。

構造設計者の数

その中で構造専門の一級建築士は、8,494人しかいません。(平成23.9.30、(社)日本建築士会連合会調べ)

一級建築士全体の2.5%にしかすぎませんが、彼らでなければ、構造計算は出来ませんし、木造3階建てはもちろんのこと、鉄筋コンクリート造や鉄骨造、ビル、マンションの構造計算、構造図は彼らがいなければ作成できません。

受験資格

建築士になるためには、下のような受験資格が必要です。

全く建築関係の学校を出ていない場合は、実務経験7年で2級建築士の受験資格が得られ、それに通れば、そのあと実務経験4年で1級建築士の事務津経験が得られます。

資格だけで判断するな

世の中資格がないと出来ない仕事がいっぱいありますね。
建築の世界も同様に、一級であれ、二級であれ「建築士」という資格がないと会社でも社会に対してもなかなか認められません。

でも、資格を取るだけなら、試験に通る早道は、実際に仕事が出来ることとはなんの関係もなく、過去の試験問題集をやるなど、要は試験勉強をすればすむ話で、早い話が、私自身も一級建築士を受験したときは、建築業界はおろか、建築の仕事すらしていませんでした
それでも合格出来るのですから、「試験は所詮試験」なのですが、それでも資格のあるなしで、会社の中でも社会に対しても風向きは全然違います。

それが資格というものの持つ不思議なところなのでしょう。

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