|

■フレーズ、断片社会
内部結露をわかりにくくしている原因に、コマーシャルや宣伝文句のフレーズだけを信じやすい現代人の性質があります。
外壁側に高い透湿抵抗のある材料を使っても、外壁通気工法が絶対だと信じたり、防湿シートが無ければ内部結露が発生してしまうと考えたり、あるいは寒冷地で内部結露が問題になっても、あたかもそれをすべての地域と勘違いしてしまう。
防湿気密シートのメーカーはその効用を高らかに謳い、外壁通気工法を採用した会社はその効果を宣伝し、これらのフレーズは、消費者の惑わされやすい心理を巧みにつかみ、物事をわかりにくくさせるひとつの原因です。
そして、 公庫仕様書や断熱材メーカーは平らで何も障害物が無い部分の施工方法だけを強調し、建物で必ず生じる障害部分をどう施工するのかの指針は何も示していません。

■気になることはやれ。
しかし、不安がるな!
防湿シートも外壁通気工法も一定の効果があることは事実ですから、それらが出来るのであれば大いに活用しましょう。そして、出来る限り断熱材や防湿シートをキチンと施工することも、よりリスクを低減させる要素であることに変わりをありません。
でも、あなたが考える万全の策をした上は、それ以上心配するな。ということに尽きるのではないでしようか。いたずらに防湿シートの破れやほつれだけを気にするのも考え物です。現場にはもっと大きな防湿シートの欠損が物理的に存在しています。(防湿層付き断熱材)
人間が快適な生活を望んだときから、人間と結露の戦いは始まっています。自然界の結露は朝露と言われるような露の現象しかありません。広告のフレーズだけを信じ、自然を見ず、その原理を理解せずに不安がっているのは賢い消費者ではありませんよ。
|

■リスク・ランキング
病気になったら治療費や生活費が不安だから保険に加入する。万が一自動車事故を起こしても、全額自己負担は無理だから任意保険に加入する。
内部結露の心配もこれら病気や自動車事故のリスクと同じです。不安がるのではなく、建物を建てる計画のなかで、そのリスクや重要度の程度ををどう考えるかなのです。
下の図は、内部結露だけに限定したランキングですが、建物は内部結露防止などの耐久性の関係する要素。耐震性や断熱性あるいは間取りやデザイン、インテリア、住宅設備、そしてコストといった多種多様な要素が入り交じっています。
内部結露だけに限定して言えば、特定のメーカーや業界団体が、特定の方法について検証しているに過ぎません。
そして、あらゆる工法や材料の組み合わせのどれにも通用する方法は存在していません。
何を重視するか、それは消費者自身の選択の問題なのです。

|