
温度を制御する事は季節変化を考えれば難しいものです。
しかし、結露・カビ・ダニに共通している湿度を制御することはある程度可能です。
常に湿度を低く押さえるようにすれば、人間も快適であると同時に結露・カビ・ダニも発生しにくくなります。
そのための条件は何でしょうか。
1.湿度とは水蒸気の量
前ページで説明したように、湿度とは空気中の水蒸気(水分)の量の割合です。
湿度を制するとは、空気を制する。 水蒸気を制すると読みかえてみましょう。
そして、空気と水蒸気の基本的な性質を理解しておきましょう。
2.空気の性質
空気は温度が高くなるほど上に行く性質があります。
室温で考えれば、一つの部屋の温度は常に下が低く、天井に高いほど高くなる性質があります。
2階建て住宅は床下、1階、2階、屋根裏の順で高くなっています。
南向きと北向きの部屋では、日照の関係でその室温も変化しています。
冷房・暖房時の室温も床面は低く、天井面は高い温度になっています。

温度が低いほど空気中に含まれる水蒸気の量が少なくなると言う温度と飽和水蒸気の点から言えば、2階よりは1階、南の部屋よりは北向きの部屋の方が温度が低くなる分、湿気が高くなることになり、結露・カビ・ダニは発生しやすくなります。
3.水蒸気の性質
水をある器に入れれば水平になるように、水蒸気も一定になろうとする性質を持っています。
ある部屋で発生した水蒸気はドアの隙間などを通って他の部屋にも流れていき、全体として一定になろうとする性格があります。

水蒸気が平準化すると言うことは、いかに水蒸気を早く外に逃がすかということです。
換気している部屋の水蒸気は外に放出されますが、押入など一度拡散された水蒸気が部屋ごと締め切っているとその部屋の水蒸気は残ったままになってしまいます。
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