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耐震考えるリフォーム−築年代別の耐震性能
 最近、至る所で地震が頻発しています。東海沖地震や南海地震といった大地震が、近い将来起こるものとして国家レベルではその準備が進められています。
 すでに築20年以上を経て、そろそろ建物の老朽化が気になりだしたとき。
 リフォームを検討しているなら、一緒に耐震補強も考えてみましょう。
 大規模なリフォームを考えているのなら、ちょっとご自身の建物の実際の耐震性能をチェックしてみましょう。そして、これから述べる客観的事実を知ることによって、あなたの建物の耐震性を客観的に知ることが出来ます。
 阪神大震災にように、何の前触れもなく訪れる大地震もあります。

 阪神大震災の時、全国から多くの義捐金が集まり、復興には力強い後押しとなりましたが、生活の復興は出来ても、家屋の建て替えまでにはなりませんでした。国家や行政機関が個人の建物の復旧に無償で行った例は、鳥取県地震のときの鳥取県が初めてです。
 本当に地震によって家屋が甚大な被害を受けたとき、国家は、個人に対する借入金の優遇などの緊急対策は行っても、家屋を修理あるいは建て替える資金の一部を無償で補助してくれる制度はありません。

 私たち一つ一つの家屋は、自分が考えなければ誰も考えてはくれません。

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基準法と耐震性の変遷

 住宅を含む建物の構造や仕様、あるいは安全性を定めた唯一の法律、建築基準法は、終戦直後の混乱あわただしい昭和25年に制定されました。でも、どんな法律もそうであるように、建築基準法も2度、3度と大きな変遷をとげています。
 耐震性に限って言えば、大きな地震を経験し、大きな被害の教訓を元に、幾多の改変が加えられてきました。何気なく建っている、そして、ほとんど同じように見える築10年の建物と築20年の建物の間にも、目に見えない耐震性の違いは隠されています。

 建物の耐震性は、最近では「構造用合板」を使って耐震性能を確保する方法が多用されていますが、10年以上前の建物は、ほとんどが「筋交い」によって耐震性を確保しています。そして、その建物に必要な「筋かい」の量は、時代とともに変化しています。

 

基準法と耐震性の変遷・図

用語解説
地震係数 建築基準法で定められており、各階の床面積にこの数値を乗ずることによって、その階の必要な筋交いの量を割り出す。
筋交いの強さ 筋交いは、その種類に応じて、強さが指定されている。
必要な筋交いの数

床面積x地震係数÷筋交いの強さ÷筋交いの長さ
の計算で、必要な筋交いの数が求められる。
上の図は、2階建ての1階が70m2の場合の、各年代で必要に筋交いの数を出したもの。
筋交いは、45x90としている。
例えば昭和35年〜53年の場合は、2階建ての1階が70m2の場合の必要な筋交いのカ所数は、70m2 x 21x=1,470となり、筋交いの強さは3のため、1,470 / 3 = 490、筋交いの幅を91cmとすると490 / 91 =5.3カ所となります。
同様に、昭和25〜34年は、70 x 12 / 3 /91 =3.1カ所
昭和54年以降は、70 x 29 / 2 /91 =11.2カ所

建物の耐震性 昭和54年以降の新築建物の耐震性を100とした場合の各年代の耐震性の目安
事実が物語る倒壊現場

右の表は、阪神大震災で最も被害の大きかった神戸市東灘区西部の南北1.8km、東西0.48kmの区域の木造住宅の被害を調査したものです。
その地域の木造建物全2,000戸のうち、2階建て建物は1,580棟あり、その被害の内訳を年代別に整理すると、古い建物ほど倒壊が多く、新しい年代に行くほど倒壊や大破は減少しています。これも上記の説明にように、基準法が要求していた耐震性の変遷を如実に物語る一つの事実です。

もう一つの耐震性能・ホールダウン金物
 建物の耐震性能を決めている建築基準法では、昭和54年に地震係数が改訂され、以前の建物に比べて地震には強くなったはずなのに、上の阪神大震災の表では、昭和50年から昭和60年に建てられた建物でも倒壊した建物が非常に多く、大破、中破を含めれば、70%に達し、昭和60年以降の建物と大きく異なっています。
 その理由が、単に筋交いを増やすだけでは耐震性能は高まらないということをこの大震災が証明したのです。筋交いの量を多くする法律改定を行ったにも関わらず、倒壊や大破、中破が多くでた原因は、公庫の仕様書に隠されています。
 下の表は公庫の木造住宅の仕様書の変遷をたどったものです。
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耐震金物の歴史

基礎 昭和54年頃までは、まだ、鉄筋の入っていない基礎でも良かったという、いまでは、信じられない時代もあった。
筋交いの固定 定かではないが昭和54年頃から、筋交いプレートが使い始められ、それまでは筋交いを柱などに釘で止めるだけでも良かった。うっ、怖〜い。
今でこそ、そんな工事をすれば馬鹿にされるが、それでも大丈夫と信じられていた時代があった。
柱の固定 昭和54年頃から平成の初期までは、柱の接合金物は法律では明記されず、公庫融資を利用する建物だけが、いろいろな金物の仕様が示された。過渡期であったため、正しく公庫仕様を守った建物とそうでない建物、あるいはホールダウン金物を付けた建物やそうでない建物等で、阪神大震災では、この違いによって地震時の被害の違いが出た可能性がある。


建物倒壊・大破の原因

 阪神大震災で、損害がほとんど無かった住宅と、倒壊あるいは大破した住宅を調査したところ、次のような原因が浮かび上がってきています。

建物倒壊・縦葉の原因

●無害住宅
新耐震基準とは、昭和54年以降、公庫が逐次導入を始めた耐久性仕様や柱の接合金物の規定を言うものと思われ、公庫を利用し、公庫の仕様書に則って施工された平成時代前後からの住宅を指すものと考えられます。

また、2X4やプレハブ住宅に被害がほとんど無かったのも事実です。


●被害住宅

@昭和34年以前の古い建物。

A昭和53年以前の建物で、なおかつ、不均衡な筋交いの配置がある建物。
B耐力壁のほとんど無い、店舗併用住宅やミニ開発の建売住宅などは耐力壁の不足、筋交いの配置不良等から、倒壊する可能性は極めて高い。

C柱の接合力不足は、地震時の浮き上がりに抵抗できず、昭和時代の建物に多く見られる。

D筋交いの施工不良も当時は釘だけで良かった時代があり、これも昭和時代の建物に危険性が高い。

E木材の腐朽、シロアリ被害による土台や柱の腐食は、住んでいる人が知らないケースがほとんどである。

F昭和54年頃から、やっと鉄筋入り基礎が公庫指定となったように、以前の建物の基礎は脆弱である。


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築年代別の耐震傾向

 上記の資料は、「平成7年阪神・淡路大震災、木造住宅震災被害調査報告書」・・木造住宅等調査委員会
発行・・(財)日本木材・住宅センター より引用、加筆しています。
なお、耐震性能の%表記は、当サイトが独自に、当時の建築基準法から割り出した数値です。
 1.基準法と耐震性の変遷では、昭和54年以降の建物をすべて100%としていますが、阪神大震災の調査から、柱の接合部分の強度を高めることが地震対策に必要であるとの立場で、平成12年6月に、木造住宅の基礎の構造や配筋の方法、あるいは筋交いなどの取り付く部分の柱の接合金物が法律で詳細に規定されました。

 そのため、基礎の強さ、柱と土台や筋交いあるいは梁との接合部分の強さは、平成12年の法改正を境として、さらに強化されています。新しい法律で実際に施工され始めた平成13年以前と以降では自ずと建物全体の強度が違うため、下図のように、築年代別の耐震性能を修正しています。

 結局、新しい法体制で施工された建物を100とすれば、平成12年以前の建物は、耐力壁などは同じでも柱の接合金物の強さが違うため、90%程度と仮定し、それ以前の建物も同様の比率で耐震性能を落としています。


耐震を考えるリフォーム
  
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