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気を引き締めて(2008年初頭) 2008.01
このコラムでも何度か取り上げた建築確認の制度変更が、住宅着工の大きな減少をもたらし、社会ニュースにもなり、経済成長率にも影響を与えました。
お金を払うから良い。着工数と自分たちには直接関係がないと思われているかも知れませんね。でも経済の変化は、それを取り巻くすべての人に影響を与えます。
2008年初頭、何に気を付けるべきかを考えてみました。
少しデータを見てみましょう。
■住宅着工は景気を反映し、昨年までは穏やかな景気上昇期だった
下の表は、国交省が発表している過去10年間の住宅着工数の統計値ですが、平成9年から14年頃までは景気が悪く、住宅着工もほとんど前年比マイナスとなっていましたが、小泉内閣の構造改革によって、やっと景気が少しづつ上向き、ここ数年は住宅着工も前年比増加になっていました。
実は、当サイトの掲示板などで「建築会社が倒産した」という記載が多かったのもこの変化と妙に一致しているのです。(平成15年以前にそういう問い合わせが多かった)
■確認申請の制度改悪が足を引っ張る
しかし、昨年(平成19年)6月末に建築確認の制度が変わってから、住宅着工は大きく減少し、制度改変後4ヶ月を経過した11ヶ月でさえ、27%の減少となっています。(下表)
■マンションは激減
この中の内訳をもう少し詳しく見てみましょう。マンションと戸建て住宅を分けると、分譲住宅という区分では、構造審査のダブルチェックという制度改正が響いてマンションは依然として60%以上の高い減少率のままです。他方、戸建て住宅は少しずつ減少幅が少なくなりつつあります。
(下表)
現在、都市部ではマンションがだぶつき気味になりつつあると言われていますが、この着工減少がちょうど良いお湯さましの状態になるのか、あるいは立地の良い場所では物件が品薄となってマンション価格が上がっていくのか、どちらとも言えません。
ただ、これだけの着工減少があれば、一時的な品薄感は避けられず、好立地のマンション価格は上がると考えておいた方が無難でしょうね。

■プレハブメーカーは自力脱出
一方、大手企業しかしていない「プレハブ住宅」は、最初の3ヶ月は低迷したものの、その後は持前の組織力で着工数の減少には完全に歯止めがかかっています。(右表) もともと、平成19年の前半は減少傾向だったのですから、10月、11月の7.6%や、6.6%の減少は元に戻ったと言うべきでしょう。
■気を引き締めて
実は、最初の表の昨年度前半の時期をよく見ると、1月、2月、4月、5月と4ヶ月が前年対比で減少しており、住宅だけに限って言えば、景気にかげりがむ見え始めていたのです。
それに輪をかけたのが6月の建築確認申請の制度改定ですが、これによって大きく着工数が減少し、特に大手企業が展開している「プレハブ住宅」以外は、戸建て住宅の平均値よりももって大きな減少となっているだろうと想像できます。
何が言いたいのか。
要は、多いハウスメーカー以外、あるいは大手の分譲メーカー以外は、これらの余波を未だに吸収出来ないでいると言うことなのです。
企業の売上が2割も下がることは、企業経営からみれば大変な事態です。(2割はあくまでも年間平均ですよ。年の後半に激減しました。)
着工数の減少、つまり、売上が突然、しかも長期間にわたった下がれば、企業はいままで内在していた弱点が一気に吹き出します。
たとえば資金繰りに困っていた企業は一気に資金繰りが苦しくなり、血眼で仕事を受注しようと考えます。
次の分譲地だ、と銀行から融資を受け、土地を買い占めた不動産屋は、一時的に塩漬けとなった土地の金利負担に大わらわかもしれません。
マンションを買おうと考えている人も、建売住宅を購入しようと考えている人も、あるいは注文住宅を建てようと考えている人も、いまは、『不安定の輪』の中に建築業界が入ってしまった。ということを肝に銘じて、気を引き締めて臨まれた方が良いでしょうね。
それが2008年初頭の印象ですよ。
注:このような記事を書くと、その意味の表面だけを盲目的に信じ込んでしまい、すべての業者が危険だと思いこんだり、不安がる方がいます。そうではありませんよ。
むしろ、健全な業者と不安定な業者の格差が広がります。
しかし、表面からは何も見えません。
いつもよりは、危険があるかも知れない。だから、以前よりは少し注意をしておこう。という風にとらえると良いでしょうね。
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