交渉・すべては人となり

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その人の力量にあったことしか出来ない

このような仕事をしていると、多種多様なご相談やトラブルの中で、実に様々な人(人となり)を見ることになります。

たとえば、契約前に図面を求めたり、仕様を明確にしてもらうことを躊躇したり、値引き交渉をどうすればいいか悩んでいる、といったどちらかというと交渉下手な人もいれば、堂々と合い見積もりで建築会社を天秤にかけたり、といった交渉上手な人もいます。
工事が始まると欠陥でも不良工事でもないのに、漫然と工事を不安がっている人。建築会社の人とうまくコミュニケーションが取れない人。その反対に現場の雰囲気にすっかり入り込み、そつなく注文を担当者に付け加えている人もいます。
かといえば、あまりにマニュアルや指針を頭に入れ過ぎてチェック過剰でかえって現場とトラブルを招いている人もいます。
トラブルが発生すると、こちらから直すべき部分を指摘しても音沙汰が無く、どう交渉したのかわからない人。相手に説明出来る資料を求めて、相手とうまく交渉出来る人。自分が交渉出来ないと見て取れば、すぐにこちらに応援を求める人。

などなど、実に様々な人間模様です。


 このようにさまざまな性格の人がいる反面、アドバイスをする私も一つの性格をもった人間です。誰とでも合わせられる万能の性格でもありません。(そんな人もいませんが・・・)そうすると、こちらのアドバイスでうまく解決出来たのだろうか、こちらが提案した交渉方法が、その人にあっているのかどうか、という疑問がいつもありました。
そういう十人十色の人となり中で、最近、私のモヤモヤを整理してくれるひとつの言葉に出会いました。

それは、ある欠陥工事の問い合わせを頂いた方の紹介で見たブログの一説に書かれてあった一言で、あるマンション購入セミナーでコンサルタントの人が言っていた言葉だそうですが、
結局、その人の持っている知識や哲学の高さに見合ったものしか選べない という言葉です。


この言葉は、マンションであれ、戸建て住宅であれ、不動産を購入するときは、その人の知識・哲学、価値観に見合う範囲のものしか選べない。知識がなければそれだけのもの(不動産)でしか価値判断を出来ない。といった意味でしょう。

哲学と言うと大げさですが、その人の生きてきた道、経験したこと、積み重ねた知識、そして持って生まれた性格等が相まって、ウソを付いている営業マンの言葉を見抜けられるか、トラブルを上手に、自分有利に処理出来るか、といったことも変わってくるのでしょうし、そもそも、何事にも当てはまる普遍的な言葉だと感じました。


この言葉を、 『その人の力量に見合ったことしか出来ない』 と言葉を置き換えると、すべてにつじつまが合ってきます。

・建築会社のウソを真破る目
・その仕様と価格が妥当かどうかの判断
・契約の有利不利の判断
・契約を迫る営業マンの撃退法
・工事の疑問と対応
・トラブル発生時の解決方法
・建築会社との人間関係

などなど、契約までの判断、工事中のチェック、問題が生じたときの解決方法など、建物を取り巻くその時その時の判断や行動は、結局すべてはその人となり、その人の力量にあった範囲の中でしか判断も決断も行動も出来ないのです。

建物を建てるということは、初めて行う契約行為、間取りや費用の決断、工事の不安等々、一生に一度の、非日常の事だからこそ、その人の力量が如実に表れてくる場面でもあります。

彼を知り己れを知れば、百戦して危からず -(孫子)

 まぁ。こんな達人はいませんが、敵を知ることは出来ても、己を知ることが実はもっとも難しいのでしょう。
自分の力量(能力)を知っている人は、その不足部分を何かで補おうと考えます。予習をする。詳しい人に聞く。助けを請う。というのも一つかも知れません。逆に言えば、交渉時に自分の力量を正確に知る。これが交渉事の第一歩かも知れませんね。

難しい・・・!!

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